【第36話】

卑弥呼


生け贄ねぇ・・・・・・・

一晩、泊めていただいた、おばさんの家で、

娘さんが、やまたのおろちという、化け物の生け贄に

されるということだ。

この決定は、卑弥呼という巫女が決めるらしい。

でも・・・・・・・いくら、国のためとはいえ、許せない。

その化け物を倒す前に、まずその巫女さんに抗議してやるわ!


「余は外人が大嫌いじゃ」

まったくぅ・・・・・・第一声がいきなりこれだもん!

どうして外から来る人を嫌うのかしら?

でも、ここでこの卑弥呼様にどうにか話を付けないと。

口論になってエジンベアの二の舞だけはごめんだからね。


「卑弥呼様、私のことを嫌いでもいいですから、話を聞いてください。

 このジパングにとっても、耳寄りの情報です」

すぐ、頭に血が昇る性格だが、この時だけはさすがにおさえて、

片膝をつき、顔を伏せる。

顔を見てしまうと、ビンタしてしまいそうなんだもん。

「なに、耳寄りの情報じゃと?」

「はい」

「ふん、話だけは聞いてやる。言ってみろ」

「わたしは、オルテガの娘のチェルトと申します。

 実は、この国にはやまたのおろちという化け物が

 若い娘を生け贄に要求しているということを聞きました。

 そこで、この国に災いをもたらしたやまたのおろちを

 私が倒してみせます」

「な、なんじゃと!」

「だから、これ以上、生け贄を出すのはやめてください!」

「こ、この無礼者!」

「え!?」

「やまたのおろちは、この国を守っている守り神じゃ。

 それを倒すとは、なんという、不埒者じゃ」

「で、でも、生け贄に言った人達は・・・・・・・・」

「ええぃ!早く、この場から立ち去れい!

 世は気分が悪いわ!」


なによぉ!

生け贄を食べて、何処が守り神なのよ!

ふん、いいもーんだ。

反対されても倒すもんねぇ。

みてらっしゃい!


第37話 灼熱の洞窟

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