生け贄
今の私には、ラーの鏡はとれないわ。
(第7話と同じ口調)
サマンオサのダンジョンで何回やられたと思います?
とにかく、ゾンビマスターに苦戦するんだよぉ。
よってたかってリンチされ、MP吸われて2、3回の戦闘ですっからかん。
これの繰り返しで、ちっとも先に進みません。
仕方ないので、ラーの鏡を取りに行くのをあきらめ、
ジパングに行くことにしました。
ダンジョンの敵、まだ、こっちの方が弱いとおもうし。
なんとかなるんじゃないかなぁ。
とにかく、世界は広い。どんなに小さな国でも、
お父さんの手がかりが見つかるかもしれないと思い、
この国を見ることにした。
「ふーん、かわった国ねぇ。
っと、いけないわ。こんなこと言っちゃ。
それぞれの国にはそれぞれ別の文化があるもんね。
さ・て・と、情報集めは明日からにして、
今日はゆっくりお風呂でも入りたいわ」
とりあえず、宿を探すことにした。
なんで?
やっぱり、この国、かわっているわ!
(さっき文化の違いで、差別しちゃいけないってあんた、言っただろう)
そんなこと、忘れたもん!
今日、私は、どこで寝ればいいのよぉ・・・・・
(野宿すればぁ?)
(どこが、かよわいんだ、何千匹も魔物、惨殺しているくせに・・・・)
んもぉぉ!
これじゃ、お風呂、
入れないじゃないのよぉ!
(これが言いたかった)
「どうしたんだい、娘さん」
「泊まる所がないのかい?
なら、うちに泊まるといいよ」
「何もないところだけど、外よりはましだから。
遠慮しないで、こっちにきなさいな」
ご飯まで頂きまして」
「これも飲みなさい。体、温まるから」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ・・・・・・おいしいです!」
「そう、それは、それは良かった・・・・・・・・・」
「どうしたんですか?」
「い、いや、なんでもないよ」 「あの、私で良ければ、話してください」
「ほんとに、何でもないんだよ・・・・・・」 何でもないって顔じゃないんだけれど。
よし!
「私は、オルテガの娘チェルトともうします」
反応あるかな?
「え、あの、オルテガ様かい!?」
「えぇ、ですから私にできることがあったら、ぜひ、言ってください!」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・実はね、この国には、やまたのおろちという
魔物がいるんだよ。とてつもなく、獰猛で、恐ろしい化け物が。
だが、この国には、卑弥呼様という、巫女がおられてね。
唯一、やまたのおろちの怒りを静めることができる方なんだ。
だが、その見返りとして、やまたのおろちは、生け贄を
3ヶ月に1回、要求して来るんだよ。
そして・・・・・・・そして、その生け贄の番が、
私の娘で・・・・・・うっうっ・・・・・・・」
そんな時代錯誤なことをやっている国が今時あるの?
黙ってみているわけにはいかないわね。
ご飯も頂いたし(単純)
ここは、私がどうにかしなければ!
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