【第370話】
はぐりんが語るスライムの歴史11
ルビス様は、ミトラ神様の言葉をボク達に告げた。その内容は下界で最も力のある争いの絶えない人間達が本当にこのまま下界を支配してよいのかということを見極めるというものだった。ルビス様は天界に来て、まだそれほど立っていないボク達にこの使命を与えるのは不本意なのだろう。しかしミトラ神様の命により、迷っておられるのだと思う。
「ルビス様、ボク行きます!」
はぐれメタルである、”ボク”はそうルビス様に言った。
ルビス様はボクを見た。
「ボク達は元々下界の生物です。だから気にしないでください。 ルビス様のおかげはボク達は世界の成り立ちを知って、そしてこの天上界で友達もできたんです。 魔物だって忌み嫌われていたり、餌だった僕らが、ここではみんなが僕たちのことを対等に扱ってくれる。 だからみんなに役に立ちたいんです。それが天上界のためなら」
他のはぐれメタル達も口々に言った。
「大丈夫です、ルビス様、きっと見極めてきます」
「ボク達、ルビス様に恩返しをしたいんです」
「わたしも行きます。ルビス様の役に立ちたいんです」
それを聞いたルビス様は優しい笑顔をしてくれた。その笑顔を見ただけでボク達は幸せな気持ちだった。
「そう…あなた達は本当に優しいのね…」
そう言うとルビス様はかがんでくれて、一匹一匹僕たちをなでてくれた。
「では…あなた達にお願いします。
そして下界では一体どういうことが起きているのか調べてきてください」
一度天界に上がった僕達は再度下界に降りて、下界の世界を調べることになった。そう、今…闇に覆われている「アレフガルド」がまだ闇に覆われていなかったときに。
「そうか…だから、はぐりんは以前アレフガルドに訪れたことがある気がすると言ったのね。
何百年も前の記憶、それがはぐりんにあったんだね。
はぐりんって…じゃぁ、何百年も生きているの?
あなたと初めてあった時は、はぐれメタルの子供という感じがしたから。
もっともどれが大人で、どれが子供かは私の目にはわからないけれどね」
「待ってくれ!!!!!」
下界に降りようとするボク達に、呼び止めるものがいた。それは以前お友達になったホビットのおじさんだった。
第371話 はぐりんが語るスライムの歴史12
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