【第371話】
はぐりんが語るスライムの歴史12
ルビス様(ミトラ神様)の願いにより、ボク達はぐれメタル一族は
下界に再度下りることになった。
ミトラ神様のことはよく知らないけれど、ルビス様はボク達バブルスライムの身を清め
天上界に連れてきてきた女神様だ。
ルビス様の力により下界に降りようというときに駆けつけたのは
ホビットのおじさんだった。
「はぁ…はぁ…間に合ったわい…」
「ホビットのおじさん!」
ホビットのおじさんは息を切らせて走ってきたようだ。
背中に大きな袋を背負っていた。
「おぬし達が旅に出ると聞いての。
前に約束したものを連日徹夜で仕上げたわい」
「約束?」
「贈り物をするといったじゃろう」
そういって、ホビットのおじさんが腰を下ろして
重そうな背負っていた袋を下ろし、袋を開いた。
そこにはきれいな二組になったモノが何十個もあった。
「おじさん、これなぁに?」
ボクは袋の中を見て聞いた。
「これは幸せの靴といっての。
元々エルフとの友好のために作っているもので足に履くものじゃ。
これを持っているものには幸せが訪れると言われての。
エルフが宝として、扱ってくれているものじゃ。
ちょっとばかし、魔力もある。
お主達には足がないから履けんじゃろうが、持ち歩いておるだけで効果がある。
危険な道中、少しでもお主達に幸運が訪れるようにとな。それとワシらホビット族とお主らの友好の証でもある」
そういってホビットのおじさんは、ボク達はぐれメタル一匹一匹に
幸せの靴を手渡してくれた。
「下界に戻ってもがんばるのじゃぞ」
ボク達は感動した。贈り物をもらったことなんて初めてだったし
ボク達のことを心配してくれて、ずっと前から徹夜で作ってくれていたのだから。
「ありがとう!ホビットのおじさん!」
「ボク、一生大切にするよ!」
「ホビットおじさんとはいつまでも友達だよ!」
第372話 はぐりんが語るスライムの歴史13
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