【第387話】
沼地の主
虹の橋を使い、大魔王の島に瞬間移動した私は光の鎧の力を使い、注意深く毒の沼地を進む。辺りには気持ち悪い臭いがたちこめる。
遠くに見える大魔王の城の方向を確認しながら沼地を進んでいく。光の鎧がなかったら、ここを進むだけでも大変だっただろう。
「!?」
刹那、イヤな予感がし反射的に私は横に飛んだ。そこに巨大な首が通りすぎていく。
まるでメルキド大戦でカンダタに救われたときと似たような光景だ。そこには口に炎を蓄えながら待ちかまえる巨大なヒドラがいた。
そして今度は右の沼地から何本もの首が浮かび上がってくる。
こちらにもう一匹のヒドラがいた。
さらに左からもヒドラが沼地から出てくる。三匹も…囲まれた。
鱗の色は前にメルキドで見た赤色ではないのでキングヒドラではないようだがヒドラは他の魔物と比べてずば抜けて強い。
アレフガルドで戦ったメルキドで戦ったキングヒドラを除けば
沈黙の洞窟で戦ったヒドラとメルキドで戦った数匹のみだ。
沈黙の洞窟では呪文が使えなかったこともありかなりの苦戦を強いられメルキド対戦でもカンダタとピオリムによる援護があったが今回はそのどちらもない。
体の大きさからは想像もできないくらい素早く
五本の首がそれぞれに攻撃をしてきて、炎のブレスをはき、さらに再生能力も持つ
厄介極まりない相手だ。しかもここは足場が不安定な沼地である。
光の鎧の膜のおかげで毒によるダメージと沼による物理的な妨げはないものの視界が悪い。
そしてまだ城の前だ。これから城にいけば最低でも大魔王、そしてキングヒドラと対決することになる。それまでに体力・魔力も温存しなければならない。私は王者の剣を抜き、身構えた。
第388話 再ヒドラ戦
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