【第396話】 マントゴーア戦2
六本の足を持つライオンの顔を持った獣。魔物に傷をおわせたが、メラゾーマを唱えられ私も傷を負う。さらに魔物からの追撃がきて、辺りに不思議な風が起こる。
私の本能が瞬間これは危険であると察し精神を集中させ体内の魔法力を活性化させた。身を硬くし全力で防御する。
すると大きな風がまきおこり、私を取り巻き風は巨大なかまいたちを作りだし、私の体をズタズタに引き裂いた。
かまいたちが去ったあと、私は兜の下で血を吐く。叫び声さえ出せないほどの苦痛。全身にダメージを受ける。
以前王者の剣で大型キメラなどを葬った真空最強魔法バギクロスのようだ。
バギクロスを使う魔物と初めて対峙した。実体がない攻撃のため、勇者の盾で防ぐことができなかった。どのように完全な鎧や兜でも、人間が着る以上息を吸うための隙間がある。
とっさの防御と、光の鎧がなければ私の命をためらわず奪っていただろう。
倒れた私にトドメをさそうと、ジリジリと近づいてくる。すぐにトドメをささないのは、慎重なのかそれともいたぶるつもりなのか。
私はベホマを唱え傷を回復しながら、これ以上追撃させないよう傷ついた体を無理やり起こし稲妻の剣を鞘から抜き剣を振るった。複数のイオラの光球が魔物に迫る。すると魔物の前に光の障壁ができた。
「マホカンタまで使えるの!?」
私が放ったイオラの玉は魔法障壁にはね返され私に戻ってきた。はね返されたイオラをもう一度イオラで的確に落とした。
イオラとイオラの衝撃はイオナズンを生み出し爆発があちこちで起き部屋は爆風で目も開けることができない姿となった。
しかし幸運にも、それは魔物にも同じことがいえ、魔物もイオナズンの衝撃で壁際にはじきかえされた。
私はすぐに体勢を立てなおし傷つきながらも床に転がっている王者の剣を拾いそのまま魔物へ突進する。
そしてイオナズンの爆風で吹き飛ばされまだ起きあがれてない魔物の首を一太刀で跳ねる。
”ギャッアアアアアアア!!!!”
すぐに残りの二体に向き、間合いをつめる。すると目の前にまた巨大な炎の玉が現れた。またもやメラゾーマを唱えたのだろう。しかし予想済みだった。
魔物の口元を見て、うごめいた瞬間私はベホマを使いながら大きく飛び上がっていた。メラゾーマかバギクロスかどちらの魔法かわからなかったが確率1/2である。メラゾーマであればかわせる。バギクロスであっても同時にベホマをかけているのですぐに回復をし攻撃を出せる。あとは勘にまかせてジャンプしていた。私がいた空間にメラゾーマが通りすぎる。
ベホマは無駄になったが、落下した勢いで魔物を王者の剣で串ざしにする。紫色の血がとびちり、魔物は一撃で絶命した。
すぐさま私は体勢を整え、最後の一体に向かう。これだけ接近すれば、バギクロスを使えば自分も巻き込む可能性がある。おいそれと魔法は使えないはずだ。
案の定魔物は六本の腕を連続で振りかざした。私はそれを見切り王者の剣ですべて切り落とす。そして返す刀で、魔物の首をはねた。
第397話 バルログ戦
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