【第407話】 アークマージ戦4
ことごとくこちらの攻撃はかわされる。あちらの攻撃は私にダメージを重ね、魔力を消費する。このままではジリ貧だ。
こちらの攻撃があたらないことにいらだちながらも冷静になるよう自分に言い聞かせ、他に攻撃方法がないかを考える。
普通に攻撃をしても、まず当たらない。場所が特定できないからだ。
こちらの攻撃が当てるには、アークマージが空間をわたって私に攻撃を繰り出す時、姿を現したその瞬間に当てるしかない。
しかしそのタイミングで攻撃を繰り出してもワンテンポ遅れるから回避される。回避と同時に攻撃を出せればよいのだが…
いや、これなら。私は一つの案を思い出し、実行に移すことにした。再度王者の剣を振りかざし、魔力を解放する。
”万策尽きて、バカの一つ覚えか!”
アークマージの嘲笑が聞こえ、再度空間を渡る。
私はその声を無視し敵の気配をさぐる。そして気配を感じた瞬間、その場を離れた。
そして回避した場所をさらに素早く離れる。
”ギャァア!!!”
アークマージが絶叫をした。アークマージは炎に包まれていた。
炎のブーメランが敵中したのだ。私は王者の剣で魔力を解放したと同時に後ろに炎のブーメランを投げていた。
空間を渡るアークマージに普通にブーメランを投げて当てることは不可能である。
しかし敵は必ず私を狙ってくる。それは言い方を変えれば私がいるところに必ず現れるということだ。アークマージの攻撃を回避すると、アークマージはそれを読み、再度空間移動を使い攻撃をしてくる。
それを再度回避しその場所に戻るようにブーメランを投げておけば待ち時間0の攻撃を出せるということだ。
一度目に回避した場所にブーメランを投げると戻ってくる時間が足りないため二度目を狙ったがこれが功を奏したようだ。
イオナズンを使った遠距離攻撃であればこちらの攻撃は当てられないがそれだけでは私の命は奪えない。回復魔法で回復できるから。だから闇の刃を使った接近攻撃で来るとよんだ。私の勘は当たったようだ。
炎に包まれたアークマージに突進して私は無言で王者の剣で十字斬りする。
斬り刻まれたアークマージは炎につつまれながら灰となって消えた。
第408話 瀕死の男
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