【第408話】 瀕死の男
空間移動とイオナズン、闇の刃による攻撃をしてきたアークマージ。炎のブーメランを使った攻撃によりキッカケをつくる。今まで出会った敵でも出会ったことがないタイプの敵で苦しめられたがどうにか倒すことができた。
アークマージを倒した道を進んでいくと、さらに降りる階段を見つけた。次は地下四階だ。アークマージが言っていた戦士を捜すため急がなければいけない。私はマッピングをしないで下の階に降りていった。
地下四階を降りると今まで殺風景だった城の様子ががらりと変わっていた。目の前には内部庭園が広がっており、その中央に大きな川が流れている。内部庭園といっても、私たち人間が思い浮かぶような緑豊かで安らげるものとは違い禍々しい石細工に、魔法の光が照らされ、堅苦しい雰囲気を醸し出している。息が詰まる思いだ。水が流れていることから、どこかに水脈があるのだろうか。
辺りは静かである。いや…何か聞こえる。何、この音は。私は耳をすませる。かすかな音だが、遠くから金属音のような音が。
私は金属音がする方向へ走った。だんだんと金属音が大きくなる。
そしてしばらくすると金属音がやんだ。
「ギャアアァ!!!!!」
同時に男の声と思われる絶叫が聞こえる。私は絶叫がした方向へ再度走り出した。
細い道を駆け抜け、広場に出た。そこには二本の首を失った大型のヒドラがいた。キングヒドラだ。鱗の色がヒドラと違うし、一度戦ったから見間違えるはずもない。キングヒドラは一人の男を残りの首で締め上げていた。
キングヒドラは私に気がつくと、目を見開く。
”アークマージがしとめ損なったか… まぁ、いい。この男は放って置いてもすぐ死ぬ。 おまえの相手は後でしてやる”
そう言うとキングヒドラがいた空間が歪みだし、消えてしまった。後には瀕死の状態の男が取り残される。
私は男の側に駆け寄ると、ベホマを唱えた。しかし男の外傷は治らない。
すると、目の前の男が、目を少し開いた。かすれるような声で話す。
「…旅の者か? 私は・・・・もう何も見えず、何も聞こえない。 だが、暖かい光を感じる。 回復魔法をかけてくれているのか? ありがたいが・・・・もう私は助からない。 体中の骨はバラバラで・・・・内臓器官ももう機能していないだろう。 回復魔法は有る程度生命力があるものにしか…効果がないからな…」 そう言うと男は血を吐き出した。
第409話 オルテガとの再会
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