【第427話】 バラモスゾンビ戦4
私は咄嗟にアストロンを使った。もし身体を鋼鉄に変えていなければ私の体は砕けていただろう。バラモスゾンビは鋼鉄と化した私の体に攻撃をし、自らの翼を失った。
突進した私に向かってバラモスゾンビは口から漆黒の炎をはいた。闇の炎など見たことがない。勇者の盾で防ぐことができるのかわからないため、一瞬ためらった。
この一瞬が戦場では命取りになる。だが私の体は攻撃に反応していた。無意識に体が横に動き、炎を避けていた。
キングヒドラ、バラモスブロスなど連続したブレスをはく魔物との戦いで私の”勘”はさらに拡大しているようだ。勘についていく自分の体に感謝にしながら剣を一閃させる。
だがバラモスゾンビも並ではない。攻撃を交わし、私との距離をとろうとする。私は追撃をするため着地ポイントを予測し、そこへ攻撃を仕掛けた。先ほどと同様のパターンだ。バラモスゾンビは私の予測した攻撃をさらに交わす。
そう、”同様のパターン”であえて攻撃を仕掛けた。
嫌な予感がまた迫る。私は死角に向かって王者の剣を反射的に横に振るった。敵の姿は目では見えない。そこへずしりと剣に手ごたえがあった。少し遅れてバラモスゾンビの尻尾が吹き飛んでいく。
あたった!?
先ほどは、後方にとんで攻撃をやり過ごしたが同じパターンの攻撃をしかければ、尻尾による攻撃を返してくる、そう予測した私は、死角に剣を振るい狙い撃ちをした。
型翼と尻尾を失ったバラモスゾンビはそれでも抵抗をやめない。しぶとい!
私は王者の剣を振りかざした。剣の魔力は発動し、バラモスゾンビを捕らえる。ダメージは与えられるかわからないが、一瞬の足止めにはなるはずだ。予想通り真空がバラモスゾンビを切り刻み、動きを止めた。
竜巻が渦巻いているところに私はベホマをかけながら突っ込む。その瞬間苦痛を襲う。自分自身が発したバキクロスがの私の肉体を切り刻むからだ。だが同時にベホマで傷が回復をした。そのまま動きを止めているバラモスゾンビの足に剣を振るう。
竜巻がやんだときは、バラモスゾンビは片足を失い地面に倒れこんだ。バラモスゾンビは攻撃をやめようとしない。私への恨みがそうさせるのだろうか。
倒れたバラモスゾンビの首を狙い、剣を凪ぐ。これがトドメとなり、バラモスゾンビは抵抗をやめた。
第428話 竜族への裏切り
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