【第1話】

忠告


さて、前書きを書いてからずいぶん時間がたっているので、

何を書こうか迷っちゃったんだけれど・・・・・

とりあえず、一番大人数で行った旅の第2章からお話しすることにした。


初めての旅については、今度の機会に書こうと思う。

前回の旅は、2人で行ったんだけれど、今回は4人という大パーティー。

しかし、考え方がみんなバラバラだから・・・・・


今、私たちは、神奈川県の藤沢という駅にいる。

といっても、どういうところか・・・・・・・って言われてもピンとこないわよね。

まぁ、一番有名な物だと、「湘南の海」とか、 「江ノ電」とか、「江ノ島や鎌倉の近く」

とか言えば、わかるかしら?

ここに、朝の5時に集合にすることになっていた。


まず、私の幼友達のミリー。

DQ日記を読んでいる人なら、知っているわよね。

年も性格も同じだから、ミリーとはすごく話が合う。

今も、世間話で盛り上がっていた。


次に、私の隣でバックの上に座り、つまらなそうに頬杖をついているミディリン。

一応、私たちは未成年の集まりだから、夜にぶらついていると補導されかねない。

そこで唯一私たちの中で、二十歳を超えているミディリンを半ば強引に連れ出すことにした。

要するに、私たちの保護者という感じ。

でも、何をふてくされているのかしら?


「どうしたの?」


「・・・・・・・・別に・・・・・・・」


「ん? あっ、わかった、照れているんだ。

 女の子3人に囲まれた旅なんて、そうそうないものねぇ。

 この、幸せ者!」


「・・・・・・・・・・・」


「なによぉ~、その嫌そうな顔はぁ~」


「時期を考えなさいよ・・・・・お姉さん達・・・・」


「なにが?」


「この時期に寝袋で旅をするなんて自殺行為だよぉ~」


ミディリンは泣きそうな顔で、言った。


「・・て、もう今日は3月5日よ。

 暖かいじゃない」


「そりゃぁ、昼間は確かに暖かいよ。

 でも、まだ3月の最初だよ。この時期に野宿するのって・・・・・」


「大丈夫よぉ~

 3月っていったら、だんだん桜が咲いてくる時期よ。

 しかも、これから私たち、南の九州に行くんだから。

 暖かいに決まっているじゃない!

 もう、心配性なんだから~」


私はミディリンに有無を言わせず、一気にまくし立てた。


「で、でも・・・・・・」


「今回は寝袋まで全員買ったんだから大丈夫よ!」


そう、前回の北海道では、夏に行ったせいもあって、

寝袋なしで旅をしたのだが、これでえらい目にあってしまったのだ。


だから、今回は防寒具もしっかりと持っている。

上着はコートも含め、4枚、

さらにカイロも持っているのだ。

これだけあれば、大丈夫でしょ?


「い、いや・・・・・し、しかしね・・・・・・・

 この時期の寒さはこんなもんじゃ・・・・・・」


「もぉ~!

 うるさいわねぇ!

 男ならぶつぶつ言わないの!」


しかし、このミディリンの忠告が、決して大げさでないということに、

後になって私たちは気がついた。


第2話 旅は時間を守りましょう

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