【第2話】

旅は時間を守りましょう


私たちは、青春18切符という物を使い、九州に旅をしようと思っていた。

ちなみに、青春18切符とは、夏休みや春休みなど、ある一定内の期間で売られていて、

5日間だけ、JRの鈍行、快速が乗り放題という切符なのだ。

値段も1万円ちょいと、それほど高くないので、

学生などにはすごく人気のある切符なの。

前回の旅では、社会人の人ともお知り合いになったくらい。


ミリー、ミディリン、そして、私は準備万端で、

時間前にちゃんと集合時間に集合場所についた。

・・・・・・・・なのだが、約一名、来ない者がいる。

もう、気づいていると思うけれど・・・・・ムーン・・・・・・・・・

あの子は、何やっているよぉ~


DQ日記ではおなじみの子だから、説明の必要はないわね。

商人のムーン。私たちより、2つ年下の16歳の女の子。

私の妹みたいなもの。

この子が来ないのだ。

「どうしたんだろうね、ムーン?」


「化粧でとまどっているとか・・・・」


「あの子はそんなことしないわよ・・・・・」


「しかし、言い出しっぺがこれじゃぁねぇ・・・・」


そうなのだ、この寝袋旅はムーンが行こうと最初に言い出したのだ。

最初、普通にミリーとどっかのホテルか、旅館に泊まって

旅行をしようというお話をしていたのだが、

この話をムーンに話したら、お金に厳格な彼女は、


「そんなことにお金を使うのはもったいないじゃなぁ~い。

 1にお金、2にお金、34がなくて、5にお金よぉ。

 ホテルなんて、絶対ダメ!」


ということで、今回、全員強制的に寝袋を購入して旅をするということになったのだ。


まぁ、私は結構この旅に乗り気だから良いけれど。

ミリーも、それほどいやがっていない。

ミディリンは・・・・・ほっておこう・・・・・


しかし、遅い・・・・・


旅は絶対に時間は厳守をしてもらいたいものよ。

何故かというと、青春18切符で旅をする場合、行き当たりばったりの場合をのぞいて

綿密に時刻表でスケジュールを立てて、うまく電車を乗り継いでいかないと

目的地までたどり着かないのだ。


今日一日で、本州の一番南まで行く予定だったのだが、

もうその予定は崩れ去った。


そこへ


「ごめ~ん!まったぁ?」


という脳天気な声が。


「何していたのよぉ~、電車かなんか事故でも起こしたの?」


「ううん、寝坊しただけぇ」


ミリーも、ミディリンも、げんなりしている。


はぁ・・・・・・・・・・

まったく・・・・・・この子は・・・・・・

ただ・・・・・この無邪気さが・・・・・なんとなく憎めないのよねぇ・・・・

でも、最初からこれじゃぁ、思いやられるわ・・・・


第3話「カロリーメイト」

第1話「忠告」に戻ります

目次に戻ります

パステル・ミディリンのトップページに戻ります!