八月十六日(第十六日目?)

  修道院の人といろいろ話をした。今までの日記には書けなかった数回の脱出計画 やいろんな思いをぶちまけると少しすっきりした。その後はもっぱら質問役に回 った。僕があの神殿に入ってから、ほぼ13年経っている。ということは僕は今19 歳だ。長かった、とあらためて思う。

今日は修道院の周りを歩いた。海が広がっていて、果ては見えない。ここをちっ ぽけな樽にのって流れてきたのが嘘のようだ。
北のほうには大きな町があるらしいけれど、こことはほとんど行き来がなく、ど んな町かはよく分からない。何しろここは辺境で、大陸のどの辺かがよく分から ない。
まずはその町に行って、サンタローズへ帰る手がかりを見つけよう。

やっと解放された僕にとって唯一の生きる希望は、母さんを捜す事しかない。そのためにも、明日ここを出発しようと思う。
ヘンリーは、一緒に来てくれるという。マリアさんは、ヨシュアさんの事もある し、院長の強い勧めもあって、ここで修道女として暮らすつもりだ。

八月十七日(第十七日目?)

  夜になってオラクルベリーについた。本当ににぎやかな町だ。ヘンリーは新しい 服を手に入れると早速カジノに行っている。

修道院では全員で僕らを見送ってくれた。ありがたい事だ。マリアさんは兄から 預かったといって1000Gもくれた。言葉も出なかった。半分は返そうと思ったが、 私にはいらない金だからと行って受け取ってくれなかった。道中モンスターが落 としたゴールドとあわせて、大事に使おうと思う。カジノに使ってる場合じゃな いよ。

ずっと北には大きな城があるらしい。話を聞いてみるがどうもラインハットのよ うだ。長いたびになりそうなので馬車が欲しい。



ヘンリーが帰ってきた。カジノで大きく当てたらしい。元手を何倍にもふやした ようだ。
「王たる者は、金を引き寄せる才能を持つものだ」なんて冗談をいって笑ってい たが、ふと今の境遇を思い出したのか、先に寝てしまった。
明日は装備を整える事にしよう。

八月十八日

  装備は整えたが、馬車は夜にならないと買えなかったので、出発は明日に延期す る。ヘンリーは今日もカジノだ。そうそう運が続くとも思えないけれど。

占いおババがいたので占ってもらった。みごとに母を捜している事を当てたので ちょっと信用する。安心せい、まだ生きておる、といっていた。そうであって欲 しいと思う。

もう一つ、モンスターじいさんというのにあった。愛をもって戦えば、仲間にな ってくれる事もあるという。なんだかよく分からないが、おぼえておこう。


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