思ったより早く修道院に着いた。たった十日弱しか経っていないのに、すごく久
しぶりな気がする。
あの塔は神の塔というらしい。門を開けるためにマリアさんがついてきてくれる
こととなった。彼女の仕度のためと、晩餐のために今夜はここに泊まる。
ヘンリーと向かって話す機会があったので心境を聞いてみたが、意外にしっかり
している。太后君のこともそんなに気にしていないようだ。虚勢でなく、本当に成長したように感じられる。
マリアさんがいるので明日はキャンプを張らずに済むようにしたい。道順の再設
定は十分話し合ったつもりだけど、丘、砂漠、森と続くので馬車を飛ばすのには
不適当だ。
帰りは旅の扉からラインハットに戻ることで納得してくれているので、神の塔で
の用事をいかに早く済ませられるかにかかっている。