八月二十七日

ビスタの港に向かう途中で野宿をしている。オラクルベリーのモンスターじいさ んの言ったことは本当だった。今、僕のとなりにスライムナイトがいる。仲間に なったのだ。
ラインハットを出てすぐに魔物の集団に出くわして、軽く退けるつもりで戦って いると、仲間になってくれた。ピエールとか言うらしい。普通の魔物でもしゃべ れる者がいるというのは改めて驚いた。


ラインハットの件は一段落したし、ヘンリーも城に落ち着くつもりらしい。てっ きり王に取って代わるのかと思っていたが、その気もなく、面倒ごとは弟に任せ て気楽に過ごすつもりのようだ。

ビスタの港から西の国への航路が再開したとかで、行ってみることにした。出港 許可が降りていなかったのを、ヘンリーの権限で僕の到着にあわせて出してくれ ることになった。
この国は一通り見てまわったけれど、世界は広い。伝説の勇者の手がかりという のも、他の国にあるかもしれない。母さんを見つけるためにも何としても捜し出 そうと思う。


ビアンカはどうしているだろうか?この国を離れるのに、それだけちょっと心残 りだ。あってみたかった。  

 

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