ビアンカはすっかり大人びた雰囲気になって、美人に成長していた。
けれど性格はあまり変わっていない、昔のビアンカのままだった。冒険が好きでお姉さんぶっていて、僕らの旅についてくると言い出した。
結局僕の方も折れて、それを受け入れることにしたが、相変わらずずいぶんと強
引だなあ。
船は水門をぬけて今ちょうど内海に入った。けれど水のリングの手がかりはつか
めてない。
ルドマンさんの、「水に囲まれたところにあるのかも知れんな」というのが唯一
と言っていい。
ビアンカは今日まで横にいるのがチロルだとは気がつかなかったようだ。リボン
を見てびっくりしたような声を上げていた。