ビアンカにフローラさんについて訊ねられた。いい人だと答えると、じゃあ愛し ているのと聞かれる。実はほとんど会っていないし、よく知らないと白状すると、 ビアンカはふいと船室を出ていってしまった。そんなにまずいことを言ったかし ら?
船はもう滝についていた。薄暗い中水煙を上げていた滝が、次第に朝日に照らさ れて金色に染まっていくのは壮観だった。
洞窟への入り方はもう分かっていた。一個所流れの薄いところがあって、そこか ら小舟で一気に通り抜けると滝の洞窟へ入れるという。不安はあるけれどやるし かない。
みんなが起きてきた。もう朝食だ。