- 十一月一日
- セントベレス山を右舷に見る。あんな高い山があっていいのかと思うような高さ
だ。
高い山は普通聖なる対象で、霊峰とか言われるものだが、あれは魔峰というのに
ふさわしい。何やら怪しい教団が神殿を
僕はあそこにいたのかもしれない。
- 十一月四日
- まだあの山が見える。ヨシュアさんはどうなったろうか。
- 十一月十四日
- 左舷に雲まで届く細い線が見える。信じられないが塔のようだ。セントベレス山
は自然の驚異だったけれど、あの塔はまさに神の驚異だ。人間の仕業とは思えない。
- 十一月十五日
- チロルが戦闘中に船から落ちて大騒ぎになった。大事には至らなかったが、チロ
ルはしゅんとしている。海での戦いは勝手が違ううえにそう回数も少ないので、
気を抜くとこういうことになってしまう。
次のページへ
表紙へ
パステル・ミディリンのトップページに戻ります