昼食後、船と別れた。いまは、山脈のふもとにあるという宿屋に向かっている。
ビアンカの人気は思ったより大変なものだった。贈り物を持った連中が甲板にず
らりと並んでいた。人妻なのに。
「船長にはめいわくをかけましたね」、というと、「おかげでいろいろまわって
めずらしい物産を仕入れました」とのこと。費用はルドマンさん持ちで、儲けは
船長のふところへ。さすが。
ポートセルミで僕のことを待っていてくれるらしい。ルーラを唱えられるように
なったのが2、3人入って、文字どおりいつでも飛んできますよ、とのこと。
みんな帽子を振ってお別れしてくれた。