つきることの無い泉に、アイシスさまの姿を思い出す。不思議な力を備えた美貌 の女性。 母さんは、あんな感じだろうか。
天空のかぶとを手に入れ、はれて息子は勇者の再臨としてこの国に現れたわけだ。 国民の驚きは大変なもので、息子を一目見ようと、あわよくば御手をとれたらと、 大変な騒ぎだった。 息子の方は自覚しているのかいないのか、にこにこしている。娘が背中を叩いて「がんばりなさいよ」というと、ウンとばかりにうなずくのであった。
母さんのふるさとのエルヘブンは極端な盆地で、地上からは人の足では行けない らしい。父さんの昔の頃の記録があればいいのだけれども。 どちらにしても北の大陸に渡らなくてはならない。