六月二十七日

思い出を映し出す不思議な絵。昨日は分かっていてもつい取り乱してしまった。

懐かしいサンタローズ。父さんのいたあのサンタローズを見ると、精神の集中が ぐらついてしまった。結局失敗に終わる。今夜もう一度やる。今度は子供たちも 起きて、横で見守っていてくれるという。

六月二十八日

神に授かったエルヘブンの民の力で、無事ゴールドオーブは手に入れた。

妖精の民からはっきり告げられた。ビアンカは勇者の子孫であると。僕のエルヘ ブンの血がビアンカの勇者の血を引き出して勇者が生まれたという。

父さんと母さん、そしてさかのぼれば幾代にも渡って受け継がれてきた運命。そ れを思うと、本当に胸がいっぱいになるといっているそばからこら暴れまわるん じゃない。

子供というのは、一国の城にいるのにどうも緊張感が無い。

明日、天空城へ向かう。

六月二十九日

怪しい天空人、または天空の芸人(これは子供たちがつけたあだ名だ)プサンに、 ゴールドオーブを渡す。天空城がその巨体を震わせ、城内の水を流れ落としなが ら空へ向かって浮上していくさま。これはぜひとも外から見たかったと思う。残 念だ。


浮上しきるまで数刻。その後城内をまわると、いったいどこからやってきたのか、 早くも天空人たちが目覚めはじめた。
皆口をそろえて、マスタードラゴンの復活を待っているという。ようするに僕に 早く目覚ましにいけというらしい。

天空城を操りながら、現在北東に向かって進んでいるところだ。

七月二日

天空城をボブルの塔の西側に着陸させた。塔まで一日の距離だ。天空城で食料な どの援助を受け、明日出発する。

次のページへ
表紙へ
パステル・ミディリンのトップページに戻ります