よっぽどビアンカたちを残していきたかった。しかし、言っても聞かない。それ
に政治的なこともある。
覚悟を決めた。王家総出で消えるか、帰るかだ。
エルヘブンで魔界への道についての手がかりを得る。四人の長老がすべて語って
くれた。やはり、ここへ続く洞窟が、同時に魔界へ通じる神殿だった。
天空と地上、地上と魔界、それぞれをつなぐ門の、神に命ぜられた門番としての宿命。
その力ゆえに母さんは魔界へと連れ去られてしまったこと。残された門番としての、あるいは勇者の父親としての、そして勇者の守護者としての僕の運命。
すべて知ってしまったからには、もう悔いはない。仲間は僕に命を預けてくれている。
マスタードラゴンが復活したので、地上は問題はない。三つのリングが揃った今こそ、魔界へ乗り込むときだ。