【第19話】

犯人は香山さんだ


 犯人はやはり香山さんだ。そうとしか考えられなかった。

 香山さんは小林さんとキヨさんと一緒にいたが、二人とずっといたかということまでは確認していない。村上さんの殺人の件だけは疑問だが、俊夫さん殺しは可能である。夏美さんを殺した理由はわからない。だがぼく達には見えないもつれなどがあったのかもしれない。

 しかし・・・そう考えるとキヨさんが心配だ。香山さんと二人きりである。

「小林さん、真理、二人はクルーザーを見てきてください!」

 唖然とする二人を残してぼくは二階の階段を掛けあがった。間に合ってくれ・・・・

 ニ階の階段にあがった瞬間、ぼくの首に細いヒモが絡まった。まるでピアノ線のようだ。

「な、なんだ・・・・」

 そのまま首が締め付けられた。く、苦しい・・・・・

 ぼくは必死にそのヒモをふりほどこうと、首とヒモの間に指をいれはずそうとした。しかし、ヒモは一向に緩まる気配がなく、入れられた指も一緒に締まり、そして・・・・・・

「グワァア!!!!」

 ぼくの指は切断された。さらに首がしめつけられる。そしてその激痛のあと、指と一緒にぼくの首も切り離された。ぼくの意識は遠くなっていった・・・・

<終>



前ページ:第18話 「俊夫と可菜子」に戻ります

目次に戻ります

最初のページに戻ります!