【第12話】

魔物の群れ


ノアニールを出た俺達。

しかし日が暮れる前にカサーブの村につくことができなかった。

俺達の頭上から魔物が襲ってきた。




「ちっ、コウモリ男かよ・・・・・

 3匹もいやがる」


「軍隊カニもいるみたいだ」


リュックがそういって指をさす。

さっきまで岩かと思っていたが、

その岩のうち、4つが動き出した。


「人間に味をしめたやつらか。

 やっかいだな・・・・・」


俺達がかまえようとすると、

コウモリ男の一人が何かブツブツと言い始めた。


「呪文を使うぞ!」


俺がそう叫ぶと同時にこうもり男が

マホトーンを唱えた。

リュックの呪文を封じようとしたのだ。

魔導師の杖を持っているのだから

魔法使いだと一目瞭然だろう。

リュックが身を硬くする。


「ちっ、呪文を封じられたか・・・・」


そう思ったが、


「・・・・・・・なんとか、こらえた」


リュックはとっさに魔法力を高めて

マホトーンの力に打ち勝ったようだ。


「大丈夫。

 なんとか持ちこたえた。

 ボクは軍隊カニを相手するから、

 ルーニはコウモリ男を!」


「OK!」


俺はこれ以上魔法を使われないよう

こうもり男のうちの一匹に茨の鞭を使い

腕をしばりあげた。


動きを封じた後、旧接近して、

すれ違いざまにショートソードを振るう。

一瞬交差したあと、コウモリ男は

青い血しぶきをあげて絶命した。


それを見て2匹のコウモリ男が飛び立とうとする。

一匹を茨の鞭でからめとり

もう一匹にショートソードを投げつける。


空を飛ぼうとしていたコウモリ男の首に

ショートソードがつきささり、悲鳴と共に倒れる。


いばらの鞭で動きを封じたコウモリ男には

まわし蹴りをして昏倒させる。


俺がほっとすると、近くで火があがっていた。

リュックがギラの呪文を軍隊カニにかけたのだ。

ギラの魔法は軍隊カニの群れを一瞬で焼き払った。


「大丈夫か?」


「あぁ・・・・でも、夜は魔物が多いね・・・・」


リュックは自分が作った火柱を見てつぶやいた。


「そうだな、早いところカサーブに行こうぜ」


そう言ってそこを離れようとした時だった。

 


”ほぉ・・・・・人間のくせになかなかやるな・・・・”


不気味で低い声が突如聞こえた。


辺りは何もいない。

もう日はないから、真っ暗だが

それでも夜目は利くほうだ。

しかしそれでも声の主を見つけることはできなかった。


第13話 バンパイア

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