【第13話】
バンパイア
コウモリ男と軍隊カニの群れが襲ってきた。
が、俺達の敵ではなかった。
俺はコウモリ男を、リュックは軍隊カニをそれぞれ始末した。
しかしそこに不気味な声が響いた。夜のせいもあるが敵の姿が見えない。クソッ・・・・・・・どこにいやがる・・・・・
「そこか!」
突然リュックが叫んだ。
リュックは魔導師の杖を使って影に向かって炎の玉を投げた。炎は岩にあたって炎上する。
「・・・・・はずした・・・・か?」
「いや・・・・・・・」
リュックが炎をなげた方向を見るとぼんやりと人の姿が見えた。
しかし、さっきの魔物と同じ、まがまがしい羽が生えていた。
「なんだよ、さっきの生き残りかよ。
さっきの様子見たんだろ?
命が惜しかったら、二度と俺たちの前に現れるな」
”フフフ・・・”
「何がおかしい・・・・」
「ルーニ・・・・違う。
こうもり男だったら、多少の魔力を持っていても
姿を消すことはできないはず。
でもこいつは、姿を消して現れた。
こいつ・・・・・アンデットモンスターの上位種族に入る
バンパイアだよ」
「あんだってぇ?」
”ほぉ、そっちのひょろっこい方は少しは物知りのようだな・・・”
「奴の牙に気をつけて。
こいつに血を吸われたら毒が体に回り、
バンパイアに操られ、自分もアンデット化されるんだ・・・・
前に本で読んだことがある」
「つまり、敵にふれなきゃいいんだろ!」
そう言うと同時に俺は、バンパイアに突進して茨の鞭を振るった。すると、バンパイアはマントを翻し、姿を消した。
「クソッ・・・・」
「ルーニ、横!!!」
リュックがそう叫んだのが聞こえ、俺は反射的に状態を前にかがんだ。
そこへ、バンパイアの強靭な腕が振るわれた。もしリュックが声をかけてかがんでいなかったら鎖帷子を着ていたとはいえ、あのバンパイアの腕に切り裂かれていたかもしれない。
「チッ・・・危なかったぜ・・・・・
こいつ、パワーもあるな」
バンパイアは、俺から少し離れるとマントを翻した。そうすると、姿が消えた。
「また消えやがった・・・・・」
すると、バンパイアが突如頭上に現れた。頭上から襲ってくるとは思わなかった!無防備な俺と勝利を確信したバンパイア。クソッ!
第14話 爆裂魔法イオ
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