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+--第2話 孤独--+
いつも明るくふるまっているけれど、 つい昔のことを考えてしまうことがある。 考えても仕方ないんだけれどね。
私が、初めて、動物と心を通わせたのは・・・ あの時だった。
あのとき、私は、子供だったから ミストの掟が、理解できなくて、お母さんにたしなめられた。
でも・・・・・やっぱり外の世界を見たくて。 一度だけ、外の世界を見たことがあった。
お母さんに後でばれて すごくしかられちゃったけれどね。
「あぁ・・・・道に迷ちゃった・・・」
こんなことになるのだったら お母さんの言うことを聞いておけばよかった。
お母さんが召喚士の仕事として、 数日家をあけるときにチャンスと思い 村の見張りの人に見つからないように来た。
回りは薄暗く、鳥の声も聞こえない。 静けさが、私に恐怖を感じさせた。
「どうしよう・・・・」
一人でいると孤独感に押しつぶされてくる。 怖い。 歩くのも疲れ、地べたに座り込む。
地面の冷たさは、私をより一生不安にさせた。
だれか・・・
「ぐず・・・ぐず・・・・」
だれか・・・・助けて・・・
思わず、涙が出てくる。
「お母さん・・・・
・・・・お母さん・・・・
・・・怖いよ・・・・怖いよ・・・・助けて・・・・・・」
そう小さい声で泣きながらつぶやく。
すると、かさかさっと後ろの草むらから、 草がこすれる音がした。
突然のことで、心臓がとまりそうだった。
「・・・・・・・・」
私は息さえもとめて、じっとそこでただずむ。 もしかして、怖い魔物なのだろうか。 私・・・食べられちゃうのかな・・・
しかし、何も物音は聞こえてこなかった。
「・・・・・・・・・・・・・誰か・・・いるの?」
思い切って、勇気を出して、草むらに声をかける。
「・・・・・・クエ?」
動物の鳴き声のような泣き声が聞こえて、 そのあと草むらからでてきたものは 大きな鳥さんだった。
・第3話 「チョコボとの出会い」
・第1話 「召喚の儀」に戻ります
・小説目次に戻ります
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