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+--第8話 二人の戦士-+

現実を受け入れられなかった。
突然の母の死。
大好きだったお母さん。
もう・・・・私には・・・・何も残っていない・・・・



「えぐ・・・・・えぐ・・・
 お母さん・・・・・えぐ・・・・」


辺りは炎につつまれていたが
もうどうでもよかった。
お母さんがいなくなった今私は何もできない。

信じられない現実だった。
今までずっといてくれたお母さんが急にいなくなった。
そんなことは、考えようと思っても信じたくなかった。

いつも一緒にいてくれたお母さん。
時には厳しい顔もするけれど、優しい大好きなお母さん。
でも、母はもう目をあけてくれない。


すると、視界に影がうつった。
泣きはらした顔をあげた。

二人の男の人がたっていた。
一人は黒い鎧をまとっている戦士。
もう一人は槍を持っている青い鎧を着た戦士だった。

黒い鎧の戦士の格好はどことなく不気味で
近づきがたい雰囲気があった。

しかし今の私はそんなことはどうでもよかった。
ただ、母が戻ってきて欲しい、
目を開けて欲しい、それだけだった。

泣きじゃくる私をみた
二人の戦士から話声が聞こえた。

「この子は・・・・・・・」

「ミストの村の召喚師の血をひく子か・・・・」

「えぐ・・・えぐ・・・・」

「この女性は・・・・」

黒い甲冑を着た戦士が倒れているお母さんを見てそう言った。

私はわらにもすがるつもりで
その男の人に事情を話した。

「お母さんの・・・・・ドラゴンが死んじゃったから
 お母さんも・・・えぐ・・・・・死んじゃったの・・・・・」


私はそれだけのことをようやく言えた。
そのあとお母さんを戻して欲しい、そう続けようとした。

しかし、その言葉をさえぎるように

「まさか、洞窟で襲ってきた白いドラゴンは・・・・」

目の前の二人の戦士や動揺をしていた。

お、お母さん!?
黒い甲冑の戦士が言った「白いドラゴン」という言葉を聞いて
はっとした。

お母さんは召喚師の力が長けていて
白いドラゴンを召喚することができる。
村ではドラゴンに召喚する力を持っているのは
お母さんしかいない。

襲ってきたドラゴンということは
母親のドラゴンをこの人たちが知っているということだ。

「じゃぁ、お兄ちゃん達が、お母さんを・・・・?」

「・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

二人は無言だった。

この人達がお母さんを・・・
それは確信にかわった。

私は憎し気に見上げた。
はじめてだった。こんな感情は。
人を憎むというのは。

「お母さんを返して!
 お母さんを返してよ!
 お母さんを返して!!!」


私は二人にわめき散らした。

二人の戦士は、口をつぐんだまま黙って私を見ていた。

「お願いだから・・・・
 お母さんを返して・・・・・・」


第9話 「憎む心」
第7話 「母との別れ」に戻ります
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