はぐりん
あやうく、窒息死するところだったわ。
でも、悪い奴ではなさそう。
「キミの名前は?」
「えっ?」
「名前はぁ~?」
「あ、あぁ・・・・・私はチェルト。
チェルト・フレイユよ」
いい名前だねっ!」
「ふ~ん、チェルトかぁ~
「あ、ありがとう・・・・・・・・・」
いきなりのことであっけにとられている私。
「ねぇ?」
「えっ?」
「お外の世界はおもしろい?」
まるで邪念がない。にこにこした笑顔で聞いてくる。
「え、えぇ。面白いわよ。
外には、海や山、動物がいっぱいいるの。
海は、きれいなブルーで山は緑色におおわれていて
季節によって赤や黄色にかわるの」
「へぇ~」
「きれいなお花やいろいろな人、音楽なども、いっぱい存在して」
ボクね、生まれてからずっと一人だったから
お父さんもお母さんも知らないんだ」
「楽しそうだなぁ~
「お父さん・・・・・・・・」
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