光
その表情は小さい子供のようにかわいく、
私は好感を覚えていった。
「うんっ」
「やっぱり・・・・・・・寂しい?」
できるだけ考えないようにしているよ」
「う~ん・・・・・・・・さびしい時もあるけれど
「そう・・・・・・・・・」
私は奇妙な同情を感じた。
「ねぇ!」
「なぁに?」
私もできるだけ優しく答える。
「ボクを仲間に入れてよ!」
「え!?」
いっぱいいっぱい、いろいろなものを、見たいっ!」
「お外に行きたいんだ。チェルトみたいに!
「で、でも・・・・・・・・・・」
「ダメ?」
うるうるした瞳で見つめられてしまった。
「お父さんやお母さんも探したいんだ」
「・・・・・・・・・・・・」
私の心の中でズキッと痛んだ。
「やっぱり、人間じゃないと、ダメなの?」
「そ、そんなことないよ」
私には彼のつらさがすごくわかる。
そして、彼が両親を捜したいという純粋な願いも・・・・・・
「・・・・・いいわ・・・・・わかった。連れていってあげる」
「ほんと?」
「えぇ、ほんとうよ」
「わ~い! やったぁ~!! うれしいなぁ~!!!」
無邪気に喜ぶはぐりん。
姿こそ、魔物だが、私には彼が光りそのものに見えた。
第97話の動く石像
第98話~101話のはぐれメタル
バラモス城で現れるモンスターで
それぞれのオリジナルストーリーを書いてみました。
どれも楽しくかけたのですが、
はぐりんのところが私は好きです。
テーマは「種族の違う友情」です。
種族が違ってもチェルトとはぐりんの求めるもの(父親)は同じ。
そこでこの1人と1匹がお互い共感を覚えたらいいなと言う
作品を描きたかったのですが、チェルトが一方的に
共感を覚えた作品になってしまいました。
人間とモンスターの共存。
DQ5を持っている方はご存じだと思います。
これが私にはすばらしく感じました。
これをDQ3のチェルトの冒険に入れてみたら
面白いのではと思い、書いてみたのですが、
みなさん、楽しんで頂けたでしょうか?
これからはチェルトとはぐりんの珍道中も書く予定です。
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