【第171話】
最後の別れ
雨の中に、燃え続ける炎。
戦争で死んでいった者・・・・・・
そして、私・・・・達の・・・・・・子供・・・・・・
私はいつまでもその炎を見続けた。
骨を拾い集める。
ゆっくりと・・・・そして、ただ、淡々と。
1つ残らず、拾い集め、それを布に包む。
「軽い・・・・な・・・・・・」
さっきまで、冷たくはあったが、重みはあった。
だが、人間は、骨だけになると、こんなにまで軽くなるのか・・・・・
もう涙もかれ果てた。
一生分出してしまったと思うくらい泣いた。
これが子を持つと言うことなのか・・・・・・
その場に座り込んで、子供に語りかける。
「おまえは・・・・・私のことを恨んでいるかもしれんな・・・・
こんな戦乱の時代に、おまえを生まれても・・・・・
幸せにしてやることができないかもしれない・・・・・
まして・・・・・私達の間に生まれたばかりに・・・・・
生きることができなかったなんて・・・
許して・・・・・おくれ・・・・・・」
しばらくは立ち上がれなかった。
雨の中、うなだれるしかなかった。
だが、力を振り絞って、立ち上がる。
軽い布を胸に大事に抱きしめるように
妻の所に帰ることにした。
第172話 返事のない部屋
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