【第237話】

予言師


鍛冶屋の夫婦は、ジパングの洞窟から、アレフガルドの世界にとばされ

奇跡的に命を拾う。

その命を救ってくれたのはマイラの村の人々だった。

マイラの村の良さがすごくわかるような気がする。



「チェルトさん、ありがとうございます。

 ヤマタのオロチを倒し、ジパングを救ってくれて」


「いいえ・・・・・当然のことをしたまでです・・・・・

 それで、今回は、ちょっと伺いたいことがありまして・・・・・・」


「はい、私達にできることなら何でもおっしゃってください」


私は鍛冶屋夫婦に、ゾーマを倒すため、

王者の剣のことを話した。


しかし、その話をすると、鍛冶屋夫婦は顔をくもらせた。


「申し訳ありません・・・・存じません。

 そのような剣が過去にあったというのはアレフガルドに来てからしりました。

 そして、ぜひ、作りたかったのですが・・・・肝心な材料がありませんでして・・・」


「神から与えられし武器は、神から与えられた金属でできています。

 "オリハルコン"という、この世でもっとも硬い金属があるそうなのですが・・・・」


「オリハルコン・・・・・・」


「えぇ、普通の鍛冶屋では、この金属を鍛えることはできないでしょうが、

 ジパングでは、特殊な手法を使い、どんな金属を剣にすることができるのです。

 ジパングに伝わる草薙の剣も特別な金属でできていまして、私が鍛えました」


「草薙の剣は、今、私が持っています。

 ラダトームに今、預けているのですが・・・・

 では、オリハルコンがどこにあるかということですよね」


「えぇ・・・ただ、オリハルコンがどこにあるかということは知りませんでして・・・・」


「そうですか・・・・」


とにかく、オリハルコンを見つけなければ行けないのだが、

まったく手がかりがない。


「あ・・・・そういえば、マイラの村のはじに、予言をしてくださる

 予言師さんがいるそうです。

 もしかしたら、その人が何かしっているかもしれません」



マイラの村のはしっこにいかにも壊れそうな家があった。

ここのことだと思うんだけれど・・・・・


ドアのノックする。


「こんにちは・・・・」


・・・・・・・・


声が聞こえない。


もう一回ドアをノックする。


・・・・・・・・


しかし何も声が聞こえない。


ドアノブをまわすとドアがあいたので

恐る恐る家にはいることにした。


第238話 悪趣味

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