脱走
両腕を兵士につかまれて、牢屋に放り込まれてしまった。
しかし、そんなことはどうでも良い。
私は見逃さなかった。王様の異様な目を。
あれは人間の目ではない。
恐ろしく殺気だった凍り付くような目つきだった。
ガチャガチャ
「うーーーんっっっっっっ!」
だめだ。さすがに頑丈な扉だわ。力任せでは開かないわね。
どうしよう・・・・・・うーん・・・・・・
あ、そうか、最後の鍵使えばいいじゃん!
わたしったら、あったまいぃ!
かちゃかちゃかちゃ・・・・・・・・・・・・開いたぁ!
「おい!さっきからうるさいぞ!」
やっばぁっ!
「す、すいませーん!何でもないですぅ。ひとりごとですよぉ」
ふぅ、危うくばれるところだったわ。
こっそりエスケイプ・・・・・・
牢屋から、地下通路をを見つけた私は、物音をたてないように
忍び足で歩く。
「大丈夫、たぶん外に通じているはず」
と自分に言い聞かせる。
「・・・・・っ・・・・・・」 ん?気のせいかなぁ。何か聞こえたみたいだけれど。
「・・・・・うっ・・・・ゴホッ、ゴホッ・・・・・・・」 ・・・・・・・・・・間違いない。誰かいる!
私は暗い壁を手探りでさわりはじめた。
「きゃっ!」
スリスリ、扉らしいところを探していたら、急に壁が抜けたの。
どってん!
「いったぁぃ・・・・・うーん・・・・・」
前向きに倒れた私を他人が見ていたら、さぞかっこ悪かっただろう。
・・・・・・・見ていた・・・・・・
汚いベットに横たわっている老人が・・・・・・
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