陰謀
と、どこからか人のうめき声が聞こえてきた。
隠し扉を見つけ(見つけ方が少々かっこわるかったが)、
中を覗くとそこに老人が横たわっていた。
「・・・・・ごほっ、ごほっ・・・・・」 背中をさすってあげる。そして、老人の胸に手を当て、
「ホイミ!」
と、癒しの魔法をかける。
「・・・・・・お、おぉ・・・・胸の痛みが軽くなったような気がするぞ!」
「すいません。まだ高度な魔法は習得していないので、
これしか使えませんが」 (ほんとにまだベホイミ覚えていないんです)
「何を言う!礼を言うぞ。
・・・・・・・・・はて、そなたの顔、
どこかで見たような気がするのだが・・・・・」
「おぉ!そうじゃ、そうじゃ。オルテガ殿じゃ!」 「私は、オルテガの娘、チェルトといいます。
依然、お父さんと会ったことがあるのですか?」
「なんと!オルテガ殿に、娘がおったのか!
そうか・・・・・・オルテガ殿には会ったことがあるぞ、この城でな。
わしは、このサマンオサの王13代目のラークじゃ」
すぐに居住まいを正し、片膝をつく。
「これこれ、そうかしこまらんでよい。
むしろ、礼を言うのは、わしの方じゃ。」
「もう、気づいているかもしれんが、今この国を治めている、
偽物の王は、バラモスの配下の魔物じゃ。
この国に戦争を仕掛けたことがあるのじゃ。」
・・・・・・・もう、何年も昔のことになる。バラモス軍が総力を挙げて、
「うむ、それでじゃ、わしらは、この国の勇者サイモン殿と
ともに戦い、この国を死守した。だが、それは奴らの陰謀だった。
この戦いで何千もの兵士が命を落とした。
しかし、バラモスは、邪悪な魔法を使い、死者をも蘇らせ、
それを兵隊とする。とてもだが、勝ち目はない・・・・・」
「そこで奴らが、提携を求めてきたのじゃ」 「提携?」
「いや、脅しといった方が良いな。つまりじゃ、わしに代わって、
奴らが、この国を治めるという事じゃ」
「もちろん、反対した。じゃが、言うことを聞かなければ、
この国の人間は、皆殺しされる・・・・・・・・
仕方なかったんじゃ・・・・・こうするしか・・・・・」
「もちろん、知らん!バラモスの手下になるくらいなら
皆、死を選ぶじゃろう」
「まぁ、待て。奴はしらをきるじゃろう。
まして、兵隊も今はいっぱいいるしのぅ。
そこでじゃ、この国の南の洞窟にラーの鏡という
真実を映し出す鏡があるのじゃ。そいつをとってきて、
奴の正体をあばいてやれ。それに、奴の所に行くには、
夜の方がよい。兵隊も皆寝てるしな」
「頼んだぞ!わしは、ここにおる。
逃げ出したら、街の者が、殺されるでな」
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