【第342話】
一瞬の判断
体力をベホマで魔力を祈りの指輪で完全回復させ魔法の種を使い自分の限界の力をさらに高める。すぐに魔法を発動できるよう四階で魔力をため、三百以上の魔物を全滅させるために、私は五階に駆け上った。
私は敵の大群を見つけるとギガデインを放った。
魔物は私を見つけると一斉に襲ってきたがものすごい轟音が大広間を包み、天井を突き破る。天空の稲妻は百近くの魔物を一気に消滅させ苦しむ間も与えなかった。
「次!!!!!!」
私は王者の剣を背中から抜き放ち、その魔力を解放する。両足で踏ん張り、私は王者の剣を大きく振りかざした。王者の剣からはメイジキメラをズタズタに引き裂いた大型の真空を生み、次々と魔物を血祭りにあげた。
”ギャオオオォォォ!!!!”
”ウオォォォオオォ!!!!”
魔物達の絶叫が大広間に響き渡る。
その時、閉鎖空間の大広間から一瞬顔に風を感じた。それはギガデインで五階、六階を突き破った天井の穴から入ってくる風だった。私はその瞬間新たな攻撃を思いつき、一番手前の柱に走りながらライデインを連続で唱えた。
ギガデインで天井に穴を開けたことによってライデインを使えるようになったのだ。ギガデインの発動は魔力をためるため時間がかかるがライデインならすぐに唱えることができる。
ギガデインと王者の剣の攻撃で生き残った敵を次々とライデインで迎撃していく。できるだけ接近戦に持ってくる前に、敵を減らす。そしてこの塔で手に入れた炎のブーメランも投げて空飛ぶ魔物も次々と撃退していった。
その攻撃をかいくぐり、空を飛ぶ魔物や四本の足を持つライオンヘッドもどきが襲い掛かってくる。
後は接近戦しかない。二百以上の魔物は倒せたと思うがそれでもまだ目測で百五十匹近くいると思えるのは奥に潜んでいた魔物か六階から降りてきた魔物がいたからだろう。この部屋には四百匹近くの魔物がいたことになる。
私は自分の目測の誤りに舌を打ちながらも残りの魔物と対峙するため柱に背中をつけた。背後の敵からはこれで回避できる。
すると上から襲い掛かってきた翼を持つ紫色の魔物がメラゾーマを唱えて私を焼きつこうとした。
私は王者の剣でメラゾーマを叩き切る。するとメラゾーマの炎は真っ二つに割れ、その魔物ごと切り刻まれた。
真っ二つに割れたメラゾーマの炎は私の周りにいる魔物を焼き尽くて次々と火だるまとした。幸運だった。
次に周囲に冷気を感じる。あのマヒャドを使ったライオンヘッドもどきが呪文を唱えようとしていた。私はマヒャドを使わせる前にマホトーンを唱え魔法を封じた。
敵と対峙した瞬間、すぐにその対処をしないと一瞬の隙が命取りになる・・・
第343話 命続く限り
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