【第348話】
聖なる守り
ルビス様は最後の伝説の神器、光の鎧を私に授けてくれた。その鎧はとても暖かった。昔の人々の願いがこもられていた。私はその暖かさで自分が戦う本当の意味を再認識した。
「あなたにもう一つ贈り物があります」
光の鎧をもらい、立ちつくしていた私にルビス様はおっしゃった。
空から今度は光り輝く首飾りが降りてきて光の鎧と同様私が身につけようとしなくても光と同化することにより身につけられた。
「それは聖なる守りです。
これから大魔王の島に行くときにきっと役立つでしょう・・・・」
そう言うと、ルビス様の光が輝きが小さくなってきた。
「ま、待って下さい! 私はこれから何処へ行けば!」
私は慌てて消えていくルビス様に私は呼びかけた。ルビス様にいろいろお聞きしたいことがあった。
「その聖なる守りを持ち、アレフガルド遙南にある精霊の祠に向かいなさい。
そこで新たな道が開けるはずです・・・・」
「ルビス様!」
そう言うとルビス様は消えてしまった。
「ルビス様・・・」
まだお聞きしたいことがあった。オルテガと名乗る男の行方とか、呪いに囚われたクラーゴンのこととかはぐりんのこととか。ルビス様でも万能ではないからご存じではないかもしれないけれどでも聞いてみたかった。
しばらくルビス様の石像があったところを見つめていたがそれ以降何かが起こることはなかった。
精霊や神であれ、この現世界で力を振るうには大量の魔力が必要とするのだろう。光の鎧や聖なる守りなどの召還を天空から行い、ルビス様はこの現世に姿をとどめることができなくなったのかもしれない。
私は我に返りこれからどうするかを考えた。
ルビス様のおっしゃった通り・・・南に向かうべきだろう。伝説の武器と防具が集まった後、大魔王の島に渡るのに必要なもの。
それをラダトーム王が語った話に答えがあった。大魔王ゾーマはラダトームから東南の方向にそびえ立つ城にいてそこは断崖絶壁であると。
言い伝えでは太陽の石、そして、精霊から授かる命の杖を手に入れたとき、そこには虹の橋がかかり、魔の島にわたることができると話していた。精霊から授かる命の杖を手に入れれば大魔王の城に渡れるのだ。
ルビス様・・・竜の女王様、見守っていて下さい。私は必ず光を取り戻して見せます。
精霊ルビス編の終了です。
メルキド大戦の時とは違い、たくさんの魔物を相手に
身を隠しながらゲリラ戦のような戦いで一人で塔の頂上を目指し
目的を果たしたチェルトを描きました。
激闘の末、ダンジョンのような難関を越えた後ルビスを救ったチェルト。
途中ラダトームに帰還した後、海の魔王という設定でクラーゴンのイベントも入れてみました。
本当はこの後、後書きを書きたいのですが、
次の話(第349話~第374話)があって、この物語の海の魔王編、ルビス編と連なって完結なので
それが終わってからまとめて後書きを書こうと思います。
引き続きチェルトの冒険をお楽しみ下さい。
第349話 生き残った者
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