【第354話】 デ・ジャブ
ルピーさんに言われるとおり聖なる守りを胸元から出すと光り輝き、目の前に階段が現れた。階段を上り天界への道を上がる。自分の戦う意味を見いだして欲せば大魔王の島に渡る最後の命の杖を得ることができるとルピーさんは言う。
光の階段を上がり続けると、さらなる光があった。暗闇の中にある光の階段を上ってそこに光の扉があるそんなイメージだ。私はその光の中に体を入れた。
目を開けると、穏やかな景色が広がっていた。私は野原にいた。
花がいっぱいさいている。いい匂い…お日様があたってとても気持が良い。
その野原に、銀色に輝くきれいなもの…
あれは、はぐれメタル?
数匹のはぐれメタルがきれいな花が咲く野原で水辺で遊んでいる。そしてそのうちの一匹がこちらを見て笑っている。
―はぐりん?
私は追いかける。するとはぐりんは、そろそろと距離をあける。
「はぐりん…逃げないで、私よ!」
そうすると、はぐりんがこちらを見て笑いかけた。そして、その後ろに…女性がたっている。
その女性が現れたあと、他のはぐれメタルも、彼女の足元に集まる。
その女性は…水辺に反射する光でその顔を見ることはできない。
でもその女性を私は一度見たことがあるような気がする。そんな雰囲気を感じさせる。ルビス様?それとも竜の女王様?
私は以前にもまったく同じ光景を見たような感覚にとらわれた。
一度もこのようなところには来たことがない。でもこの光景は何故か覚えている。いつだろう…
私は記憶を呼び起こした。そうか…これはいつか見た「夢」の景色だ。確かに私はこの景色を夢で見たことがある。
魔王の影と戦ったときに私は敗れ、どのように助かったかは未だわからないがその後に見た夢だ。
これも夢なのだろうか。しかし夢の時は、女性の顔を見ようとしたらさめてしまった。私は夢が覚めるかもという恐れはあったがその女性の顔を見ようと近づいた。
第355話 ルビスの素顔?
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