【第356話】 はぐりんとの再会
初めて見た女性。それが私は最初ルビス様だと思った。それは半分は当たりだった。しかし彼女はそれを否定する。自分は姿を借りているだけだと。
「まさか…はぐりんなの?」
「そうだよ」
「!?」
本当に驚いた。あのクリクリした目がかわいらしいはぐれメタル。それが今、女性の姿をしている。ルビス様の姿だと。
姿を変えたはぐりんへの驚きとはぐりんが無事だったという安心感の二つが私にあった。
「よかった…よかった… はぐりん、海ではぐれてからどうなったか すごく心配したからさ…」
私はルビス様の姿をしたはぐりんに抱きついた。
「チェルト…ありがとう…」
はぐりんも私を抱きしめてくれた。
しばらくして体を離して、はぐりんを見た。
「でも…いったいどうやって あの海からはぐりんは助かったの? どうしてここにいるの? はぐりんって、女の子だったの? 何故はぐりんはそんな姿なの? もしかして…はぐりんはルビス様なの?」
「チェルト、そんなにいっぺんに質問しないでよ」
はぐりんは苦笑いをした。
「いろいろ…事情があるんだけれど、 何から話せばいいかな…」
「全部聞かせてよ」
私は少し拗ねたように言った。
今まで、はぐりんが無事で安心したと同時に何で無事だったらもっと早く私のところにいてくれないのかと思ったのだ。それは私のわがままで、はぐりんには伝える手段はなかったのかもしれないがでもそう思った。
はぐりんがルビス様かもしれないけれどでも、私とはぐりんは旧友だ。今から言葉を変えることはない。
「そうだね…全部話さなければね… 今、すべてを伝えないと…いけないだろうね。 これが最後になりそうだし…」
「…最後?」
第357話 はぐりんが語るスライムの歴史1
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