【第377話】
湖の街リムルダール
虹の滴を手に入れるためメルキドから東に向かった私は湖に囲まれた町を発見した。あれがきっとリムルダールの街だ。あそこで一休みをしよう。
リムルダールの街に行くと意外に活気あふれていた。アレフガルドは闇に包まれているため、野菜はなかなか育たず食料を生産するのも大変なはずなのに市場には人が多く、食料も豊富だった。
とりあえず最南東の祠まで行って、大魔王の島に渡る手段を手に入れた後最後の仕度をすませればよいため、多少余裕があるほどの食料を買った。
また既に伝説の武器と防具を持っているため、買う必要もないのだが、武器・防具屋を一応見ておくことにする。
光の鎧、勇者の盾を持っているため、防御はほぼ完璧なのだが唯一心配なのは頭部への攻撃だ。
普段はムオルの村でもらった父さんの兜を身につけている。
基本的に頭部への攻撃は盾を使って回避はしているがこの兜は伝説の防具ではないし、兜と呼ばれるにはちょっと頼りない代物でリング上の金色の輪をしていて、物理的な防御力はそれほどない。
ただ輪の真ん中には水色の魔法の宝石がうまっており、この宝石が魔法への抵抗力があり敵からの攻撃を軽減しているようだった。
打撃的なダメージを軽減するのであれば、騎士が装備するような頭をすっぽり包む型の兜が良い。
しかし完全に頭を囲う型の兜は視界を遮ることがあることと何よりこれは父さんの使っていた兜ということでありこの兜をしていると力が出る、そんな気がして手放さずずっと使っていたのだ。
だがメルキド対戦とルビスの塔の攻防で宝石は無事のものの輪の部分はかなり痛んでいる。
そのため兜を探すことにした。理想はこの父さんの兜の青い宝石を取り外し顔を完全に隠せる兜を見つられれば魔法的な防御と物理的な防御が期待できるが、特注するしかないだろう。
アレフガルドは戦乱明け暮れる時代だけあって良い武器防具がそろっている。
ドムドーラの力の盾や要塞都市メルキドでのドラゴン系の武器防具など強い武器防具がないとこの時代を生き抜くことができないため人々やより強い武器防具を求め、生産している。バラモスの被害が最も少なかったアリアハンとは大きくそこが違う。
リムルダールにも武器・防具屋があったので入ることにした。店には人はほとんどいない。
それもそのはずである。それぞれの防具に値段が書かれているのだがどれも目の飛び出る価格のものばかりだった。一般市民が買える値段ではない。
しかし高い値段だけあって、品も超一級品ばかりである。カンダタが使っていたあの隼の剣も置いてあった。
さて目的の兜は…
第378話 特一級品
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