【第393話】 大魔人戦2
巨大な石像が私を襲う。大魔王のトラップの1つだろう。全部で十体あった石像も奇襲などで残り四体まで減らした。
とはいえ、なかなか剣の間合いまで入らせてくれない。この石像、魔王バラモスの城にしかけられていた石像と同様のようだが力、スピードが段違いだ。
両腕の振りが早く、五本のヒドラの首をかいくぐったスピードを持ってもなかなか近づくことができない。
私は相手の攻撃を慎重に見極めながらその早い攻撃をなんとかかわす。
四体の入り乱れた攻撃に踏みつぶされないよう一瞬の隙をみつけそのうちの一体の足に剣を叩きこんだ。
石像だから痛みは感じないだろうが足を崩されれば戦闘能力を奪うことができる。
しかしそれが甘かった。
足を崩した石像は体勢を崩しながら腕を振るってきたのだ。他の石像に動きを見ていた私は一瞬かわすのに遅れた。直撃を受けるわけにはいかない。
かわせる間合いでないと判断した私は反射的に石像の拳に剣をたたきつけた。すると、剣は拳を粉砕し片腕がバラバラと石片になり落ちる。
王者の剣は切れ味もさることながら、すごい強度である。
「残り三体!!!」
私は自分に気合を入れるため叫んだ。仲間がやられても石像には感情が無いのか無表情で私のことを攻めたてる。しかもスタミナ落ちもないから、一行に攻撃は遅くならない。
拳を打ちこんできた石像の攻撃をかわし、剣を振るい腕を粉砕する。攻め手にかけたところで、こちらから接近戦を挑み足も粉砕し行動不能にする。
確実に一体ずつしとめ、辺りには石の破片が部屋中に散らばった。
第394話 王座の部屋
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