【第394話】

王座の部屋


大魔王城のトラップである巨大な石像を

すべてしとめ大広間は物音1つしなくなった。

石像を倒すと、元来た道、そして先に見える扉が

音をたてて開いた。




開いた扉を見てみると、赤い玉座がある。

しかし玉座には誰も座っていない。

大魔王もいなかった。

そしてこの部屋はそれで行き止まりで扉があるわけでもない。


私は玉座に近づこうとすると、

突然バチバチという音がして、目の前に火花が散った。

私はとっさに身を引く。


「…バリア?」


しかしそれにしては、体がしびれていない。

ルビスの塔ではバリアが張られていて

危うく死にかけるところであった。

それほど強烈だったのに私は無傷である。


私は試しにさっきの大魔人との戦いで砕け散った石のかけらを

その空間に投げ込む。

石が砕け、燃えた。


確かにバリアのようだ。

なのに私は何故無傷なのだろう。


私は恐る恐るもう一回近づいた。

そうするとまたバチバチという火花が私の周りに飛び散った。


しかし光の鎧に埋め込まれている赤い宝石が光り輝いていて

私の回りに光の膜ができているではないか。

その光の膜がこの空間と干渉して火花を散らしているようである。


「そうか…毒の沼地と同様で、私にもバリアが張られているのね」


さすが神器である。これほどの電撃さえはじいてしまうとは。

とはいえ、いつまでも光の鎧が耐えられるとは限らない。

さっさとこの王座の部屋を探索したほうがよいだろう。


これだけ守られているということは、この先に何かあるということである。

どこかにバリアを解除する装置があるのだろうか。


膜の外でなる火花に気をとらわれないように

私は王座の部屋を調べはじめた。


まず外壁を調べる。隠し扉か何か仕掛けのようなものはないか。

しかし特に変わったものがなかった。


カンダタから聞いた話では、隠し扉を調べるなら

まずは壁を疑ったほうが良い

なければ、床か天井を調べろと言っていた。


私は床の中で怪しそうなところ、部屋の外周、

次に玉座の周りを調べた。


玉座の後ろにかすかに隙間がある。

私はその隙間に剣をさしこみ、てこの原理をつかって石をどかした。


するとそこに地下へ続く階段が見えた。


第395話 マントゴーア戦

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