【第421話】 バラモスブロス戦4
イオナズンやメラゾーマの攻撃を防ぐため私はマホトーンでバラモスブロスの魔法を封じようとした。兜についている父の青い宝石が私の魔力を増幅する。バラモスブロスは顔を歪めながら対抗し、マホトーンを唱え返してきた。
呪文をかけながら、耐えるためへの魔法力を高めるのは今までにないことだった。普通であれば、呪文を相手にかけるのも一瞬こちらがかかるのを防ぐ為、魔法力を高めるのも一瞬だからだ。
バラモスブロスは簡単にマホトーンで呪文を封じさせてくれず絶えず、マホトーンの魔力を送り込んでくる。気を抜いたら、一気に封じ込まれるだろう。私は唇をかみ締めながら、さらにマホトーンへの魔力を送った。
しかしバラモスブロスの圧力はさらに高まり、ついには私のマホトーンが発動しなくなった。しまった。逆に封じ込められた。
”手こずらせおって…”
バラモスブロスは荒い息をつき、私を睨む。
”トドメをさしてくれるわ!”
そう高らかにほえると、メラゾーマを唱えた。
私は勇者の盾を身構えながら、メラゾーマをなんとか回避しようと横に飛ぼうとした。しかしバラモスブロスからメラゾーマが発せられることはなかった。
「もしかして、おまえも…」
私のマホトーンも同時にバラモスブロスの呪文を封じたのだ。
「ならば…」
私は王者の剣を構えながら、突進した。魔法がなければ、奴に近づける。接近戦ならこちらの方が分があるはずだ
後一歩でバラモスブロスに傷つけられ間合いに入ったところバラモスブロスは突然口を大きく開け、激しい炎をはいた。
しまった!奴にはこれがあった。目の前に熱風を感じ、その後火炎が私を燃やし尽くす。攻撃態勢に移っていたため、勇者の盾で防ぐことができなかった。
「きゃあああぁ!!!!!」
私は激しい炎の直撃をうけ、メラゾーマを受けたときと同様、床を転げ回った。
”そのままもがき苦しみ、燃え尽きるがよい!”
バラモスブロスの嘲笑が聞こえる。回復魔法も使えない私は、バラモスブロスを倒してマホトーンの呪縛から逃れる以外回復の術が無い。たった一歩の判断ミスが死につながった。
くそ…終わりか…ここまで来たのに…
第422話 バラモスブロス戦5
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