勇者サイモン
テドンで見た以来だった。
人骨。
・・・・・・・・ひどい・・・・・・・・・
壁には、爪でかきむしった後がある。
血だろうか?
暗くてわからなかったが、生々しかった。
きっと、食料や水も与えられず、ただ何日もここに閉じこめられ、
飢えで苦しんで死んだのだろう。
この人がサイモンさんかしら・・・・・・
冷静に考えて、いくら超人と言われる勇者サイモンでも、
この中で生きているとはとうてい思えなかった。
何個か他にも牢屋あったが、どれも変わり果てた姿だった。
見たくない!
こんな光景!!!!
・・・・・でも・・・・・わたしも死ねば、こういう姿になるのよね・・・・・・
人間はいずれ死ぬ。
でも・・・・・・でも・・・・・・うっ・・・・・・・・
こんな惨い、殺され方ってないよ・・・・・・・・・
うっ・・・・・・うっ・・・・・うっ・・・・・・
せめて、遺品だけでも、サマンオサで待っている奥さんに
持って帰ろうと思ったんだけれど・・・・・・
どれが、サイモンさんの屍かわからない。
”・・・・・テガ・・・・・殿・・・・・・・”
えっ!
今、なんか声が・・・・・・
”オル・・・・・テガ・・・・・殿・・・・・・・”
オルテガ?
お父さん?
お父さんのこと!?
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