【第61話】

現実


父さんが落ちたという、火口を目指して、

何も考えず、ひたすら頂上を目指す私。

何処をどう歩いたか、わからない。

それほど、無心な気持ちで、頂上を目指した。


着いた・・・・・・・・

ここが頂上だ。

火照った体に、涼しい風邪が気持ちいい。


「父さん・・・・・・・・」


わかっていた。

誰もいないことが。

それでも、この目で見るまでは信じられなかった。

父さんが、死んだことが。


お父さんと、一緒にバラモスを倒しに行きたかった。

でも、心の中ではわかっていた。

常に自分に、父さんは生きているって言い聞かせて闘っていた。

しかし、無駄に終わった・・・・・・・・

この場所について、急に力が抜けた。

座り込んでしまう。

足に力が入らない


何よりもかけがえのない人を失った気持ち。

私の目から、ぽろりと涙が落ちた。

いいよね・・・・・・

誰も見ていないし。

泣きたいときだってあるよ。わたしだって。

でも・・・・・・でも・・・・・・

私はこれから、どうすればいいのよ・・・・・・・

唯一、希望だった父さんがいない。

思いっきり泣け叫びたかった!


第62話 ガイアの剣

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