現実
何も考えず、ひたすら頂上を目指す私。
何処をどう歩いたか、わからない。
それほど、無心な気持ちで、頂上を目指した。
ここが頂上だ。
火照った体に、涼しい風邪が気持ちいい。
「父さん・・・・・・・・」
わかっていた。
誰もいないことが。
それでも、この目で見るまでは信じられなかった。
父さんが、死んだことが。
お父さんと、一緒にバラモスを倒しに行きたかった。
でも、心の中ではわかっていた。
常に自分に、父さんは生きているって言い聞かせて闘っていた。
しかし、無駄に終わった・・・・・・・・
この場所について、急に力が抜けた。
座り込んでしまう。
足に力が入らない
何よりもかけがえのない人を失った気持ち。
私の目から、ぽろりと涙が落ちた。
いいよね・・・・・・
誰も見ていないし。
泣きたいときだってあるよ。わたしだって。
でも・・・・・・でも・・・・・・
私はこれから、どうすればいいのよ・・・・・・・
唯一、希望だった父さんがいない。
思いっきり泣け叫びたかった!
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