油断
だが、おかしい。
魔物はいない。
物音はしない。
それにこの光景は・・・・・・・・
きっとなんかの罠があるに違いない・・・・と踏んではいたのだが・・・
目の前にある光景は、廃墟の街、テドンだった。
そう、あのテドン。
しかも、訪れたときと同様、人の死体がごろごろと転がっている。
城の外から匂っていたこの臭いは死体が腐った臭いらしい。
一生忘れることのない臭い。
それとこの悲しみ。
あの時、私は一人でこの街の人を埋葬した。
バラモス退治への決意が強まったのもこの一件以来だ。
もう、このような悲劇は二度とみたくない・・・・・・・
その決意が、私を強くし、戦い抜くことができた理由だ。
しかし、また見てしまった・・・・・・・・・
涙がこぼれる・・・・・・
「まったく・・・・・同じ光景?」
つい、心に残っていた事件を目の前にしていたから、我を忘れていた。
冷静に考えれば・・・・・・・・
そんな光景、あるわけない!
だが、我に返ったときは遅かった。
「きゃぁぁぁ!!!」
急に私の全身が燃え上がった!
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