第5幕 伊丹の晩夏
一行はおのおの昼食にしている。
藤原さんに連れてこられた場所はやはり空港の社員食堂的な場所だそうだが、一般にも開放されているような形を取っているようである。
事実我々以外にも数組ではあったが旅行者達が食事をとっていた。
場所が場所名だけに発見されにくいというのが旅行者達の足を遠くしているようである。
藤原さんは以前この伊丹空港内でバイトをしていたそうで、その関係でこの場所を知っていたのである。
さてこの場所。
社員食堂の様相を呈しているからか、めちゃくちゃに安い。
例を挙げれば、カツ丼がみそ汁付きで380円。
定食モノも500円を上回ることはないのである。
まさしく穴場と言うにふさわしい。

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これは森田さんが食したランチ定食。これで500円!! |
さて昼飯を食べてしまった私はというと、コーラ500m!!
マックの陰謀にはまったとはいえ、腹の中に幾ばくかの昼飯を入れてしまった故、これ以上は食う気がしなかったためである。
私の隣は安田さんであった。
その昼飯は…カツ丼!!
しかもなんか一般の店より一回りでかい!!
よ、よく食えるなぁ。
この人は、病んでいてもその胃袋には全く支障を与えないようである。
前には総長。
他人丼なるモノを頼んでいる。
これは、言ってしまえば牛の卵とじ丼なわけだが、牛に対して卵は他人の子(卵は鶏の子)ということで付けられた名前である。
そのお味は…。
総長曰く、とても美味いそうで、かなりのお気に入りになったようだ。
などとやっていると突然携帯に着信が!!
電話を取る。
「はい、もしもし。」
「あ、ど~も。Rushです。」
「あ、どうもです~。」
九州からの参陣者、Rushさんであった。
実はこのときすでに私とRushさんは携帯で連絡を取り合っていたので、初対面というわけではなかった。
故にはじめましての挨拶は無し。
「今、私は伊丹に着いたんですけど、そっちはどちらにいらっしゃいますか?
もう梅田に行かれましたか?」
そう訪ねてくる。
「いえ、まだです。
こっちは藤原さんが考えていた予定より1時間早く着いちゃったんで今空港内で飯食っているところです。」
「なるほど、そうですか。」
「じゃあこっちからお迎えに上がりますわ。
今どちらに?」
「ええっと到着ロビーのベンチに座ってます。
ギターを荷物にして、で、ゲームボーイやってますんでそれを目印によろしくお願いしま~す。」
「は~い、わかりました~。」
早速私は同じく昼飯を食ってない連合の藤原さんと共に(しまっぺさんは「やっぱハラ減ったわ。」という言葉と共に飯を食っていた。)Rushさんを迎えに行くことにした。
やっぱ暑いですね~、だの、雨が降ったから蒸し暑いだの、雨と言えば昨日九州はやばくて飛行機が遅れただの言いながら元来た道を戻る。
そして到着ロビーに到着。
早速それらしき人を捜す。
うむ~、ペイントした姿なら見たことがあるのだが…。
実はRushさん、某大学のプロレス研究会に所属しておられ実際にリングに上がる方である。
そのときの格好が、顔はミスターポーゴのペイント、Tシャツはスティーブ・ウィリアムスのもの。
手に鎌を持つという出で立ちである(Rushさん所属プロレス研究会の開催パンフレット曰く、「全く誰のファンだかわからない出で立ち」)。
そのお顔であれば、以前に拝見したことがあった。
しかし素顔となると…。
が、やはりギターとゲームボーイが決め手となった。
あっさり見つかる。
「Rushさんで?」
「あ、ハイ。
ええっとヌルさんと…。」
「藤原です。
ども。」
3人でとりあえず挨拶を交わす。
私的には今OFF初の初対面者との対面である。
前回のあらいさんに引き続き九州からの参戦者という事になる。
しかし、九州の方はあらいさんといいRushさんといいプロレスが好きな方が来られるな。
それはともかく、とりあえず、無事に合流できたのであった。
しかしここで謎が一つ残った。
Rushさんはゲームボーイでいったい何をやっていたのであろうか??
結局OFFが終わり今でも謎のままである。
(後日談:Rushさん曰くこの時やっていたのは「ポケットモンスターピカチュウ版」だそうです。)
Rushさんと関東軍の対面も済み、関東軍の昼食もほとんど終わっていた。
時間も2時を少し過ぎ。
頃合いも良しということで、関東軍+2のパステル・ミディリンご一行様はいよいよ日本の西の中心、大阪梅田へと脚を進めることとなった。
浪速が我待つ、いさ行かん!!
空港からはモノレールで1駅、さらに阪急宝塚線で一気にという行程である。
大阪モノレール。
大阪の北西に位置する伊丹空港と南東に位置する門真市を結ぶ、日本最長のモノレールである。
ちなみに門真市はパナソニックで知られる松下電器のお膝元である。
現在の有名どころでは西武の潮崎や日ハムの建山等をはじめ多くのプロ選手を輩出している社会人野球の強豪松下電器はここの市に拠点を構えて門真市代表として都市対抗野球に出場してくる。
とまあ話が横道に逸れたが、とにかく門真は松下の本拠地である。
その門真市まで行くモノレールに一行は乗り込んだ。
そういえば、東京も羽田まではモノレールがある。
東京・大阪の日本に二大拠点の空港にはモノレールがあるという共通点はなかなかに面白い。
両方とも跨座(こざ)式というのも面白い。
跨座式というのは1本のレールに跨って動く形式のモノレールを言う。
これには大阪モノレールや東京モノレール、他には北九州の小倉モノレール、完成のみで現在ほとんど廃線状態の横浜ドリームランドのモノレールがなどが当てはまる。
一方これに対して一本のレールにぶら下がるようにして動くモノレールを懸垂(けんすい)式モノレールという。
これには大船から湘南町屋を経由して江ノ島へと行く湘南モノレールや千葉の中心部を走る千葉都市モノレール、東京郊外の多摩都市を走る多摩都市モノレールなどがある。
では何故モノレールなのであろうか?
恐らく地面部はバスや車等車の道路に占めさせるため、高地もしくは地下にしか空港周辺には土地が取れないからでは無かろうか。
空港に乗り入れている電車もしくはそれに準ずる機関に地下もしくは上空が圧倒的に多いのはそういう理由と思われる。
と、またまた話が逸れた。
元に戻そう。
モノレールは伊丹空港駅を発車、次の駅へと向かう。
さて外の光景は…、そう私は外を覗くと、真っ直ぐ見た先にモノレールのレールが見える。
あれ?
何でやねん??
進行方向とは全然関係ない方向じゃん。
窓から見て真っ直ぐということは進行方向とは真横の方向にレールが見えたわけである。
どうして??
と思っていると、即時その謎が解けた。
モノレールが大旋回し始めたのである。
無駄やん!!
何故真っ直ぐ作らんねん!!
この構想は大いに疑問であった。
誰かが表して曰く
「ユリカモメに近いですね~。」
全くである。
ユリカモメも無駄な旋回が多い線である。
などと言いたい放題思っているウチに次の駅蛍池に到着した。