子供が心を閉ざす理由

今日も相も変わらず終電帰りだったのだが
どうしても、書いておきたいことがあったので
書き記しておこうと思う。
子供達が、心を閉ざすにはいろいろな理由があると思う。
先日、TVで1つの特集が組まれていた。
なんらかの理由で子供が非行に走り、
小さい頃から、シンナー、酒、たばこ、
また社会的な問題の暴力、ひきこもりなど
子供達が、心の傷や、自分の居所が見出せないこと、
そういう子供達をある家で預かり、
子供達が人間のあり方について、
考えるというものであった。
その家は一人の50歳くらいの女性の
おかみさんがいて
過去に16歳のとき、重い病気をしてしまい入退院を繰り返し、
結婚後もすぐに離婚してしまい、娘は非行に走ってしまった
という経験の持ち主で、子供が非行に走ってしまったときの
気持ちをよくわかっていて
そういう施設を個人の力で作ったのかもしれない。
その家で、子供達は、自分と同じ境遇を持つものと
生活しなければいけないわけで、
その中で人と話すことにより、
自分の居所を考えたり、自分が何をするべきかということを考える。
子供達が実際に思ったことを口にしていた。
「もっと、親にしかってほしかった・・・」
「自分の居場所が見出せない・・・」
悩みは人それぞれであるが、
子供達には子供達の悩みがある。
その家に入った子供達は
親からのごくわずかな仕送りは多少あるものの
基本的には、その家で行う内職、
それと、年80回以上全国で、太鼓の公演による出演料で
子供達は自分の生活費は自分でまかなっていかなければいけない。
しかし、すでに非行にはしって学校をやめてしまったが
その家にお世話になった人が300人もいて、
子供達は家を出ていて、
立ち直って社会復帰して学校に戻ったものや
新しい道を見つけた子供達がたくさんいる。
さて、その施設に先日、新しい少年が入った。
少年は回りの人達と一緒に生活するが、
2週間ほどするとその家(施設)を逃げ出してしまったのだ。
3日後、その少年は家に戻ってきたが、
施設のおかみさんに、昔の友達に急に会いたくなったと伝えた。
そこでおかみさんはその少年に
「逃げないで、地面を足につけて生きて欲しいの・・・・」
そう伝えた。
一言だけれど、そのおかみさんの気持ちがよく伝わる言葉だと思う。
目の前の現実から逃げるのは楽である。
逃げることは恥ではない。
しかし、現実から逃げれば、そこで終わってしまう。
逃げてしまったら、次は立ち向かえない。
できる、できないが大切なのではなく、
立ち向かう勇気が必要なのだと、
私にはそう聞こえた。
その施設で、他にも子供達が施設で過ごす様子も映し出されていた。
年80回の太鼓の公演を全国でするため、
厳しい練習があった。
おかみさんの叱咤が子供達にとぶ。
しかし、その言葉は非常に意味のある言葉に私は聞こえた。
「技術で太鼓をたたくのでない、
 魂で太鼓をたたくの」
「失敗することは恥じではない。
 何事も一生懸命することがすごく大切で、
 自分が満足するまで、太鼓をたたくことが大切、
 自分が正しいと思えば、それが間違いでもいいの」
そうおかみさんは、太鼓の稽古を子供達に教えていた。
非常に心をうつ言葉だと思う。
人間、漠然と生きるのではなく
自分の目標や生きがいを見つけ
それを一生懸命することが必要なのだ。
一生懸命することが1つでもある人はとても魅力的であり、
たとえ間違っていた方向にすすんでしまっても
自分が一生懸命やったという、意識、達成感が大切なのだ。
自分が熱中できる、
自分の居場所、
自分の生きがい、
自分で生きていける自立心、
それを子供達は、施設で自分と同じ境遇をもつ
子供達とふれあい、時には傷つくこともあるかもしれないが、
人間として大切なものを学んでいくのである。
学校にいって、高校や大学で漠然と過ごすのもいいのかもしれない。
目の前の受験勉強に明け暮れるのもいいかもしれない。
(決して受験勉強を悪く言っているわけではない)
しかし、世の中にはこうやって一度は社会の道を踏みはずしたものの
自分で生計をたて、自分の生きる意味を見出している
子供達もたくさんいるのだ。
本当に学ぶべきことはなにか、
本当に大切なことはなにか、
生きるのに必要なのは何なのか、
それを今の子供達をふくめ、我々社会人になった大人も
認識して深く考えることもたまには必要なのではと思う。

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