……毎度お馴染み、私勇者でございます。
父オルテガの後を継ぎ、こうしてアリアハンの特殊工作員として……あ、いや
別にスパイだったり破壊工作をしたりなんてモノではございません。
そう言った事は現在行動を共にしているパーティーのメンバーの仕事……
……え? 勇者の仕事に誤解を与える? はぁ、いや、ですが一応は事実…
……はぁ、そうですか。えぇ、ハイ。まぁそれはそうで……わかりました。
…いや、勇者というのも大変なモノでございます。
え? 特殊工作員って何か? ははは…いやまぁそういった細かい事は
良いとしましょうか。とりあえず、父オルテガの後を継いで隣国を渡り歩き、
まぁ早い話が産業スパ……え? これも禁句? 弱ったなぁ…じゃあ何を…
……はぁ、当たり障りのない事ですか……いえでもね、一応私も勇者であって…
…まぁ解ります、はい。えぇ、それじゃ本当に当たり障りの無い事で…
いっ…いえいえ、別にそんな、私達は産業スパイなんて事は全然行っては
おりませんですハイ。こう、世界の平和のために、とりあえず仮想的国として
バラモ……え? 仮想じゃ無い? 一応は本当の敵? ちょ、ちょっとそんな
話は聞いて…あれって表向きの話じゃあ……? 本当の事? はぁ…解りました。
いやぁ度々お見苦しいところを……
まぁ早い話がバラモスとかいう魔王…でしたっけ? あぁ、やっぱり。
えーと、それでどこまで話しましたっけ…あぁそうそう、そうなんですよ。
魔王バラモスを倒すという大義名分をもって、再びアリアハンの天下を
目指そうと言う、非常に大切な任務を遂行しておりまンがッ!?
(パーティ内の同胞に突如当て身を食らわされ気絶)
戦士:「というわけでして王様……」
王様:「ふむ…それはマズいな。何にしてもインタビューを血ゅ談したのは賢明だった」
戦士:「恐れ入ります」
王様:「やれやれ…オルテガは途中で連絡を断つし…他に適任はおらんのか?」
戦士:「はぁ、それが…サイモンは行方不明ですし…」
王様:「ふむっ……まぁ良い、当分はお前達だけで行動してもらうか…」
戦士:「御意。ところでコレは…?」
王様:「とりあえず連れて行ってくれ。一応は役に立つかも知れん」
戦士:「御意」
王様:「あぁ、間違ってもインタビューはさせるなよ?」
戦士:「御意に。では行って参ります」
王様:「うむ。…………ふぅ…どこでどうやったら勇者=特殊工作員になるのやら…」
戦士:「陛下、こいつはどうも子供の頃からジェームスボンドに憧れていたようです」
王様:「…………007か…」
戦士:「それに部屋の中にはゴルゴ十三が全巻揃っています」
王様:「……なるほど……スマンが、こいつの家に行って全部処分してくれ」
戦士:「御意」
…なーんて可愛い勇者がいても良いと思うのですが。
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