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◆Story of Libral (Kathieさん投稿) |
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序章 |
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1章-旅立ち- |
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Story of Libral 序章 2 三年後
それから3年の時が経った...
カキン!キン!
シリウス「ほら!受けが甘いわよ!」
アリエス「え?」
アリエスは、シリウスとともに剣術の稽古をしていた。
シリウス「それだと、すぐに相手の二撃目を受けるわ、こんな感じにしなさい。」
アリエス「こうかな?」
シリウス「いや、こうよ。」
こんな感じで、剣術を少しずつ身に付け、17歳になったアリエスはだいぶ剣術の腕を上げていた。
シリウス「ふぅ...だいぶ上達したわね、アリエス。」
アリエス「姉上こそ、忙しいのに済まないです。」
シリウス「別に、そんな口調じゃなくてもいいのに...」
アリエス「だって、昔姉上にみっちりと教え込まされましたから...」
シリウス「子供のときに、礼儀は教えたかったからね。でも、こういうときぐらいは普通でもいいわよ。
ただし、私にはね。ほかの人や、目上の人には使っちゃ駄目よ。」
アリエス「それは分かっていますよ。」
シリウス「でも、アリエスったら血が上るとつい地がでるからね。」
アリエス「だいぶ落ち着きましたよ...」
いくら月日が経っても、シリウスにとってはアリエスは弟ということは変わらなかった。
シリウス「あ~あ、疲れちゃった。今日はここらでやめにしましょ。」
アリエス「はい。」
稽古場を後にし、高台のほうへ向かう。
番兵「あ、シリウス様、どちらへ?」
シリウス「少し風にあたりたいの。高台の方へ行くから、通してくださる?」
番兵「かしこまりました。あ、アリエス王子もご一緒で。」
アリエス「ああ、一緒に行くんだ。」
番兵「ただ、最近森の奥から不審な気配がするという噂がありますから、くれぐれもお気をつけて。」
シリウス「それは私も聞いているわ。大丈夫よ、いざという時のために剣は携えてあるから。」
番兵「そうですか、王女様の腕前なら魔物なぞ退治できてしまいそうですね。」
シリウス「もう、私はそこまで強くないわ。」
そんなことをいっているが、シリウスの剣の腕前は高い評価を得ている。
番兵「でも、もし何かあったら危険です。どうかお気をつけて。」
シリウス「ありがとう。さ、アリエス、行きましょ。」
...
アリエス「姉上、悪い噂って...?」
シリウス「えっ?アリエスは知らないの?」
アリエス「はい...そんな噂なんて聞いたことがなかったです。」
シリウス「そうなんだ。でも、たかが噂だしね。」
アリエス「でも、なんか気になります...」
シリウス「森の奥から不審な気配...ねぇ...」
アリエス「......」
噂のする森、この森は、別名魔の森とも呼ばれている場所である。
数百年前、魔物をこの森に封印したという伝説があり、
それにちなんで魔の森と呼ばれている。
しかし、今となっては普通の森。魔の森と呼ばれていることも所以も、アリエス達は知らなかった。
そして、噂のことを言っているうちに、高台の先端につく。
シリウス「んん~...いい風...」
暖かな春風が吹き抜ける。
アリエス「いつ来てもいい眺めですね。」
シリウス「そうね...」
ここは、城下を一望できる場所。
ただ、この国はそれほど発展しているというわけではなく、
城下にはのどかな田園風景が広がっている。
流石に、城に近づくにつれ、建物も大きくなり、
街は賑やかになっているが。
アリエス「城下ってどんな風になっているのかな...」
シリウス「そうか、アリエスってお城から出たことがないのよね。」
アリエス「せいぜい、城門の橋前の広場までですね。」
シリウス「アリエスも、もう大人なんだから、街のことくらい少しは知っておかないと駄目よ。
そうだ、今度一緒に回ってみましょうか。」
アリエス「え?」
シリウスのいきなりの言葉に思わず妙声を発した。
シリウス「私も久しぶりに外へ出てみたいし、
アリエスもせっかくの機会だから街を歩いてみるといいわよ。」
アリエス「そうですか?」
シリウス「何も知らないと、何かと不便だから。ね、行きましょ?」
アリエス「そうですね、わかりました。」
シリウス「それじゃ、明日にでも行ってみようか。」
アリエス「それまた急な...」
シリウス「いいじゃない別に。」
アリエス「はぁ...」
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