Story of Libral 1章-旅立ち- 1-1落ち延び
 

Story of Libral
(Kathieさん投稿)
序章

ストーリー設定
1プロローグ
2-三年後
3-城下町へ
4-稽古

5-邪悪な鼓動

6-混乱
7-故郷の落日
1章-旅立ち-
1-1落ち延び
1-2新たな旅立ち
1-3ティコ山脈
1-4プロシマ王国
1-5アルベル村
1-6ゼフィール一味
1-7ゴールドマンティスの巣
1-8エケラス盗賊団

Story of Libral 1章-旅立ち- 1-1落ち延び


バチッ!ドサッ!
アリエス「ぐっ!」
地面に叩きつけられ、呻くアリエス。
オリオン「ううっ...アリエス様...大丈夫ですか?」
アリエス「ああ...何とか...」
二人は立ち上がると、辺りを見回す。
アリエス「ここはどこなのだろうか...」
オリオン「ここは...かなり昔ですが見覚えがありますな。ここはリブラルの南、
確かアルビーレ地方だったと思います。」
アリエス「アルビーレ地方?」
オリオン「はい、以前はこの地方もリブラルが治めていたのですが、
20年程前に独立し、今では静かで平和な国になっていると聞きます。
私もこの地方の砦に駐留していたこともありました。」
アリエス「そうだったのか。」
オリオンはどこか懐かしむような表情で話す。
しかし、急にその表情にかげりが差す。
オリオン「しかし、そのリブラルも...」
アリエス「オリオン...」
アリエスの表情も曇る。
アリエス「姉上やリゲイル、みんなはどうなってしまったのだろうか...」
オリオン「わかりません...どうにか生き延びていてくれればよいのですが...」
アリエス「そう...だな...」
二人は空を見上げる。
オリオン「とにかく、いつまでもここにいるわけにはまいりません。
とにかく町のほうへ行ってみましょう。」
アリエス「わかった。」
その場を後にし、町へと向かう。
...

第1章 旅立ち

アルビーレ地方を治めるアズレイム城、アリエス達はその城下町にたどり着いた。
アリエス「国が違うと、町並みも変わるものだな。」
オリオン「そうですな。」
アリエスは外の世界というのをほとんど知らないので、見るものがどれも新鮮に感じられていた。
オリオン「まずは足を休ませましょう。歩き続けて疲労もお溜まりでしょう。」
アリエス「ああ、もう大分歩いたからな。足が痛いよ。」
オリオン「それでは、あそこの喫茶店で休みましょうか。」
アリエス達は近くにあった喫茶店に入る。
「あ、いらっしゃい。親父ー、お客さんだぞ。二名。」
若い店員が出迎える。
店主「おっと、お客さんだね。いらっしゃい...って...あんたは...」
オリオン「私が何か...」
店主「オリオンじゃないか!」
オリオン「えっ...あなたは...?」
店主「忘れたのか?」
オリオンは周りを見回す。
オリオン「もしかして...あなたはあのときのマスター、クラインか!久しぶりだな!」
どうやら、この店の店主とオリオンは知り合いらしい。
アリエス「オリオン、知り合いなのか?」
オリオン「昔こちらの砦にいた時によく利用していた酒場のマスターなのですよ。」
アリエス「そうだったのか。」
クライン「ところで、そちらの少年は?」
オリオン「ああ、こちらはリブラルの王子、アリエス様でいらっしゃる。」
アリエス「よろしく。」
クライン「リブラルの王子!?これはこれは...」
クラインは驚きの声を上げる。
オリオン「しかし、一目でよく私と分かったな、もう20年にもなるのに。」
クライン「親友の顔を忘れはしないさ、何年経とうとな。」
オリオン「ははは。」
クライン「この国が独立して、駐留していたお前達が帰ってから、この店も寂しくなったよ。」
オリオン「何でだ?ほかの客は来ないのか?」
クライン「あれまではお前達がこの店を占拠していたからな。
元々地元の人間はあまり来ないし、今でも昔の仲間がちらほら来る程度さ。」
オリオン「そうか。店の様子も看板も変わっててどうりで気づかなかった、酒場はやめたのか?」
クライン「いや、夜は一応酒場としてやってるよ。
昼間はもう少ししたら息子のジェフに任せることにしたんだ。」
オリオン「そうだったのか。」
クライン「俺ももう年だからな。息子に後継いでもらってそろそろ隠居でもしようかと思ってな。」
ジェフ「とかいいつつ、一旦店先に立つとすごく張り切っちゃうんですけどね。うちの親父。」
思い出話を交えつつ、アリエス達は談笑する。
クライン「しかし、お前といい、王子様といい、何故こんな所へ?」
オリオン「実は...」
オリオンは事の経緯を話す。
クライン「リブラルが陥落...そうか、そんなことがあったのか...」
オリオン「私はこれから城へ赴き、王に謁見しようと思う。今も国王は...」
クライン「ああ、あいつが...おっと、王にあいつって言う表現はまずかったか。
そうだ、この20年間は彼が王をつとめているよ。」
アリエス「王様とは知り合いなのですか?」
クライン「知り合いというか、昔のここの騎士団の隊長をやっていたやつでね、
オリオンや俺とは昔から仲が良かったんだよ。」
アリエス「そうなのですか。」
オリオン「さて、私達はそろそろ行くよ。お代は?」
クライン「いいよいいよ、今日は俺のおごりだ。せっかくの再会なんだし、それだけで十分だよ。」
オリオン「そうか、すまない。時間があったら積もる話でもしよう。」
クライン「ああ、それじゃな。」
アリエス達は店を後にする。
オリオン「アリエス様すみません。話に夢中になってしまいまして...」
アリエス「気にすることないよ。せっかく友と再会できたんだろ?」
オリオン「それはそうですが...」
オリオンは罰の悪そうな顔をする。
気が付くと、城門の前まで来ていた。
番兵「ここより先はアズレイム城だ、旅の者か?」
オリオン「いや、私達はリブラルから来た者だ。こちらはリブラルの王子、アリエス王子。」
アリエスはリブラルの国章を見せる。
番兵「そうですか。その国章、まさしくリブラルのもの。お通りください。」
アズレイム城に入る。
そして、兵の案内により、王の間まで案内される。
カインツ「君達がリブラルから来たと言う者たちか。話は聞いている。」
アリエス「はい、私はリブラルの王子、アリエスと申します。」
カインツ「アリエス王子!?立派になられて...」
アリエス「私をご存知なのですか?」
カインツ「そうですか、私がお会いした時は、
まだ王子は赤ん坊でしたから覚えていらっしゃらないですな。そして、そちらは?」
オリオン「私はアリエス王子の護衛をしている、オリオンと申します。」
カインツ「そうですか、アリエス王子の...えっ...オリオン?」
オリオン「はい、オリオンです。」
カインツ「本当に...あのオリオンなのか...!?久しぶりだな!」
オリオン「本当にお久しぶりですね、カインツ王。」
カインツ「そんなに改まらないでくれよ、私達は親友だったではないか。」
オリオン「流石に、親友だったとはいえ一国の王を呼び捨てにするわけには参りません。」
カインツ「ははは、お前らしいな。いつでも礼儀は守るというのは。
いつかまた昔のように杯を交わしたいものだ。」
オリオン「そうですな...しかし、今日は大事なお話があります...」
...
カインツ「何てことだ...我らの盟主であるリブラルが...守衛の見た赤い光がまさか...」
カインツは肩を落とす。
カインツ「レグルス様は...」
アリエス「父は伝説の魔獣と戦い、命を落としてしまいました...」
カインツ「そうか...レグルス様も...あの方にはよくしていただいた...
私がこの国の国王になれたのも、レグルス様に抜擢されたからでした。」
アリエス「そうだったのですか。」
カインツ「さて、せっかく来ていただいたのですから、ゆっくりしていってください。
それと、城の者に宿場を手配させますので、落ち着くまで自由にしてください。」
アリエス「ご迷惑をお掛けします。」
カインツ「いやいや。」
オリオン「私からもお礼申し上げます。」
カインツ「そうだ、シエラ。」
シエラ「お呼びですか?お父様。」
カインツ「アリエス王子達にこの城を案内してあげなさい。」
シエラ「はい、わかりました。」
オリオン「この方は...」
カインツ「そうか、オリオンは知らなかったか。私も娘を授かったけど
その頃には既にお前はいなかったからな。」
オリオン「そうでしたか。」
オリオンもカインツの娘のことは知らなかったらしい。
シエラ「それでは、案内しますのでついて来てください。」
アリエス「あ、はい。」
その後、シエラに案内され、城の大体を把握した。
シエラ「こんなところですね。」
アリエス「ありがとう。おかげで大体分かりました。」
シエラ「アリエス様、私のほうが年下ですし、そんなにかしこまらないで下さい。」
アリエス「しかし...」
シエラ「何だか私に対してかしこまられるのって、あんまり好きじゃないんですよ。
普通に接していただいた方が気が楽なんです。」
アリエス「そう...う~ん、わかった。」
「シエラ様、そろそろお時間ですが。」
シエラ「あ、分かったわ。すぐ行くから。」
アリエス「どこかへ?」
シエラ「これから稽古があるんです。」
アリエス「稽古?」
シエラ「実は私、魔術師見習いなんです。」
アリエス「魔術師?すごいな、私は魔法に関しては全く無知だから...」
シエラ「そんなことないですよ、大したことないですし。あ、そろそろ行かないと。」
アリエス「そうか、それじゃ、今日はありがとう。稽古頑張って。」
シエラ「はい、それじゃ、失礼します。」
シエラは駆け足でその場を去っていった。
アリエス「魔術師か...」
オリオン「彼女は気質はありますな、魔術師の目をしていました。」
アリエス「オリオンはわかるのか。」
オリオン「なんとなくですがな。」
...
一旦アリエス達はカインツが手配した城の宿場へ来ていた。
アリエス「...オリオン、これからどうすればよいのだろうか...」
オリオン「そうですな...今はとりあえず、ここで様子を見たほうがよろしいですね...」
アリエス「そうか...」

...
アリエスは、稽古場まで来ていた。
シエラ「あっ、アリエス様。」
そこでは、シエラが魔法の稽古をしていた。
アリエス「頑張っているんだね。」
マール「シエラ様も大分上達しましたね。」
アリエス「ん?この人は...」
シエラ「あ、この人は私に魔法を教えてくれているマール先生です。」
マール「あなたがアリエス王子ですね。よろしく。」
アリエス「こちらこそ。」
アリエス「ところで、シエラってどんな魔法が使えるの?見てみたいな。」
シエラ「いいですよ。」
マール「あの~...少し下がっていたほうがいいと思います。」
アリエス「ん?そうなのか?」
マール「シエラ様って、たまにとんでもないことをしますから...」
シエラ「ちょ、ちょっとマール先生...」
アリエス「ははは...」
そして、気を取り直してシエラが詠唱に入る。
シエラ「はあっ!」
シュウッ!
マール「よし!」
シエラの放った火球が、一直線に目標を捕らえる。
アリエス「へぇ...すごいな。」
シエラ「ありがとうございます!」
マール「さ、シエラ様。次ぎ行きましょ。」
シエラ「えぇいっ!」
マール「...あれ?」
ボッ!
アリエス「うわああ!熱っ!熱い!熱い!!」
シエラ「きゃ~!!アリエス様!!」
何故かシエラの放った火球がアリエスに直撃する。
シエラ「ど、どうにかしないと!えいっ!」
マール「っ...!シエラ様!」
カキィィン...
シエラ「あ...」
アリエス「......」
慌てたシエラは冷やそうとしてアリエスを凍らせてしまった。
アリエス「こういう...ことか...」
マール「はぁ~...」
マールは頭を抱えてしまった。
シエラ「アリエス様...ごめんなさい...」
アリエス「そ...それはいいんだけど...早くどうにかしてくれないか...凍え死ぬ...」
シエラ「ご、ごめんなさい!今すぐに!」
マール「シエラ様は下がってください...私が何とかしますから...」
シエラ「あう...」
マールによって、アリエスは無事に氷の中から解放された。
...

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