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◆Story of Libral (Kathieさん投稿) |
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序章 |
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1章-旅立ち- |
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Story of Libral 1章-旅立ち- 1-3ティコ山脈
アリエス「ふう...ふう...山道ってつらいな...」
オリオン「アリエス様、この山道はまだマシな方ですぞ。」
アリエス「本当か?」
オリオン「当時はこのように山道が整備されていませんでしたから。」
アリエス「一体どんなだったんだ...」
シエラ「ハア...ハア...すみません...歩くのが遅くて...」
遅れてシエラも上ってくる。
アリエス「無理はしなくていいよ。」
オリオン「そうですな、少し休憩しましょうか。あそこに小さな洞穴がありますから、
そこで少しの間休憩していくことにしましょう。」
アリエス「賛成~...」
洞穴に入り、一行は腰を下ろす。
アリエス「ふう...シエラ、どう?」
シエラ「えっ?何がですか?」
アリエス「旅、初めてなんでしょ?」
シエラ「はい、町の外に出ることもほとんどありませんでしたから。
見るものが何でも新鮮に思えます。何だか楽しいです。」
アリエス「そうか。」
オリオン「...ん?アリエス様...その足は...」
アリエス「え?あれっ...いつの間に...」
アリエスの足に、小さな傷が出来て、血が出ていた。
アリエス「何かに引っ掛けたのか...」
シエラ「大丈夫ですか?」
アリエス「大した事ないよ。じきに治る...って...」
シエラ「ジッとしててください....」
シエラはアリエスの傷に手をかざす。
オリオン「おお、これは...」
シエラの手が淡く光る。
アリエス「これは...」
シエラ「治癒の術です。まだ初歩的なものですけど。」
アリエスの傷が全くなくなっていた。
アリエス「すごいじゃないかシエラ。こんなことまで出来るのか。」
シエラ「ほめ過ぎですよアリエス様。これくらいは誰でも...」
オリオン「しかし、これは助かりますな。」
アリエス「本当だよ。」
笑い合うアリエス達。
「ガル...」
アリエス「!!」
オリオン「今のは...」
シエラ「唸り声のような...」
オリオン「んっ!?あれは!」
「ガルルル...」
洞穴の奥から、獣が姿を現した。
オリオン「どうやらこいつの住処だったようですね。」
住処で騒がれ、獣はかなり殺気立っていた。
アリエス「オリオン...かなり殺気だっているようだな。」
オリオン「はい、間違いなく狙っているでしょうな。」
アリエス「シエラ!危ないから君は下がって!」
シエラ「いいえ!私だって!」
シエラはまた何かを詠唱する。
「!!」
アリエス「うおっ!?」
シエラ「獣は火に弱いと聞きます。これで威嚇すれば...」
シエラは火球を出現させる。
「グル...」
危険を察してか、獣は洞穴の奥へと消えていった。
シエラ「ふう...」
オリオン「火炎系の魔法も使えるのですか。」
アリエス「すごいよシエラ!何でも出来るんだな。」
シエラ「使えるといっても、まだまだ初歩的なものばかりですので...」
オリオン「いえ、その若さでそれだけ出来れば大したものです。
初歩的な術でさえ、習得するまでにはかなりの時間を要しますからな。」
アリエス「さて、こんなところに長居は無用だな。さっさと行こうか。」
...
アリエス「すごい眺めだな...」
アリエス達は山頂付近まで上ってきていた。
シエラ「お城があんなに小さく...」
オリオン「......」
アリエス「オリオン?どうしたんだ?」
オリオンはアズレイム城よりもさらに先を見つめ、複雑な表情を浮かべていた。
オリオン「リブラルを...見ていました...」
アリエス「リブラル...」
霞んではいるが、彼方にリブラル城を確認できた。
オリオン「行きましょう...」
アリエス「そうだな...」
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