・残された可能性~電気炉~ 現在わが国で生産される鉄鋼の30%は,実は高炉転炉法ではなく電気炉によって造られています. 電気炉というのは高電圧をかけた炭素電極と材料の間に発生する電弧(電気火花)によって,スクラップを溶融し調質することのできる鍋状の溶鉱炉のことです. 電気炉は酸化鉄から鉄鋼を生産するというよりは,スクラップを再利用するという性質を持っており,大量生産には向かないものの温度,雰囲気その他の条件をコントロールすることが容易であるため特殊な性質を添加した高級合金鋼の生産に適しています. 電気炉の歴史は高炉転炉による間接還元製鋼よりさらに新しく,高炉すら開発されていないDQ世界において存在するのは不自然とも考えられますが,この世界には我々とは違うエネルギー源,すなわち魔法があります. 勇者のみが使える魔法ライデインやギガデインによって鉄製品を再溶融し,魔法の剣のような特殊な武器の原料としていた可能性は否定できないと思われます. ただ,これにはライデインやギガデインを長期間連続的に使用する必要があり,いかに勇者といえども個人の魔法力では困難です. そこで考えられるのは,発電または招雷能力のある魔物の活用です.DQ5で登場したライオネックはLvが向上するとデイン系の呪文を覚えます.また同じくDQ5で登場するキラーパンサーやガメゴンロードはイナズマという特技を持っています. これらの魔物を大量に捕獲,育成することでスクラップの溶融に使用する大量の電力をまかなうことが出来るでしょう.特に特技の場合は魔法と違い回数に制限は無いようなので,この技術にとっては大変都合がよいといえるでしょう. ただし,このような魔物を捕獲することは大変危険であったと考えられるため,生産量は極少量であったと推測されます.
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